ステーブルコイン導入の可能性を議論
ドナルド・トランプ米大統領が主導する「平和評議会(The Board of Peace)」が、パレスチナ自治区ガザで米ドル連動型ステーブルコインの導入を検討している。英ファイナンシャルタイムズが23日、複数の関係者の話として伝えた。
ステーブルコイン導入は、壊滅的な被害を受けた同地域の経済を再構築する取り組みの一環として検討されているが、協議はまだ初期段階にあり、詳細の多くは未定となっている。
ステーブルコインの規制枠組みとアクセスについての決定は、ガザ行政国家委員会(NCAG)と平和評議会が行うという。この構想の策定を主導しているのは、イスラエル諜報機関のベテランでテック起業家のリラン・タンツマン氏(Liran Tancman)。関係者によると同氏は、無償で平和評議会の顧問を務めており、過去1年間、米国高官らと共にガザ関連のプロジェクトに取り組んできた。
19日にワシントンで開催された同評議会の初会合において、タンツマン氏はNCAGが「安全なデジタル基盤、電子決済、金融サービス、eラーニング、医療を可能にするオープンプラットフォームを構築している」と言及。ユーザーが自身のデータを管理できる仕組みを目指すと述べるも、詳細は明らかにしなかった。
プロジェクトに詳しい関係者は次のように述べた。
これは『ガザコイン』でもなければ、新たなパレスチナ通貨でもなく、ガザの人々がデジタル取引を行うことを可能にする手段となる
関係者はさらに、この取り組みが、デジタル通貨分野の専門知識を持つ湾岸アラブ諸国やパレスチナの企業によって主導されることを期待していると付け加えた。
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現金不足が深刻化
パレスチナ自治区の主要な通貨はイスラエルのシェケルだ。自治区には中央銀行に相当する「パレスチナ通貨庁(PMA)」が存在するが、独自通貨の発行権は持っていない。そのため、イスラエルの経済圏に組み込まれる形で、シェケルが事実上の主要通貨として流通している。
こうした背景の下、2023年10月のイスラエルとハマスの戦闘開始以来、ガザ地区では物理的な現金流通が著しく制約されている。戦禍によるATMの破壊・閉鎖に加え、イスラエル当局がガザへの新たな現金の搬入を阻止してきたことが主な原因だ。
その結果、現金を入手する際に法外な手数料が発生する事態が続き、問題となっている。住民の間では電子決済システムの利用も拡大しているという。
ステーブルコイン導入に関する協議に詳しい別の関係者は、この取り組みの狙いについて、「ガザから現金の流通を排除し、ハマスが資金を獲得できないようにすることだ」と説明した。また、デジタル取引の拡大によって、イスラエル政府の意向に左右されずに商取引を継続できるという利点もあると明かした。
しかし、協議に詳しい他の関係者らからは、ステーブルコインの導入がガザ地区とヨルダン川西岸地区の経済を、さらに分断させる可能性があるとの懸念も示されている。パレスチナの人々は両地域を将来の国家の一部として一体化したいと考えているが、特にガザ限定のステーブルコインがPMAの管理下に置かれない場合、両地区の経済的結びつきをより一層希薄化するリスクが高まると懸念している。
こうした「分断」への懸念に対し、別の関係者は、「ガザとヨルダン川西岸を切り離す意図はまったくない」と強く否定。その上で、本構想はあくまで「パレスチナの人々がデジタル環境で円滑に取引を行えるようにするための手段に過ぎない」と、その実用性を強調した。
ステーブルコイン導入に向けた課題の一つは、ガザ地区の通信ネットワークの現状だ。イスラエルは長年、同地区のモバイル通信を「低速な2G世代」に制限してきた背景がある。
これに対しタンツマン氏は、平和評議会の初会合において、同地域のネットワークは7月までに「高速アクセスが無料で可能な環境へとアップグレードされる」との見通しを語った。
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