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ヴィタリック、イーサリアム財団の役割再定義を表明 ETH売却を抑制し長期存続へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • ヴィタリック・ブテリン氏がEFの方向性を説明
  • 「イーサリアムの中心」ではなく「一つのノード」へ

「明確な目的を持つノード」として

イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は25日、 イーサリアム財団(Ethereum Foundation、以下EF)の今後の方向性について、Xへの長文投稿で自身の見解を明らかにした。

組織改革が進むEFにおいて、共同エグゼクティブディレクターのトマシュ・スタンチャク(Tomasz Stańczak)氏を含む著名な上級貢献者の退任(または退任発表)が相次いでおり、方向性やガバナンス、長期的な発展をめぐるコミュニティの議論が高まっている。

ブテリン氏の今回の投稿は、こうしたコミュニティの懸念や議論に応じたものだ。同氏は自身の個人的見解だと述べた上で、次のように強調した。

EFは「イーサリアムの中心」ではなく、「明確な目的を持った、他のノードと並ぶ一つのノード」だ。

エコシステム内外から「中央組織」としての役割を期待されてきたEFだが、同氏は「確実に一つのノードとなるよう行動を起こす」と明言した。

その背景には、主に2つの要因がある。まず、EFが保有するETHは総供給量の約0.16%にとどまり、10〜50%規模のトークンを持つ他のブロックチェーン財団と比べてリソースが乏しい。加えて、初期ロードマップ(Frontier、Homestead、Metropolis、Serenity)をすべて達成したことで、財団設立当初の目的は2022年に果たされたとブテリン氏は見ている。

そのため今後は、リソースを「活動の幅」よりも組織の長期的な存続に振り向ける方針だ。これはEFが保有するETHの売却を抑制することを意味するとブテリン氏は明言している。

具体的には、CROPS(Censorship Resistance=検閲耐性、Resistance to Capture=捕獲耐性、Open Source=オープンソース、Privacy=プライバシー、Security=セキュリティ)に特化し、他組織による代替が困難なコア領域への集中を強める方針を示した。これは、EFが関与しなければ成立しにくい基盤的機能にリソースを集中させることを意味する。

この姿勢は、3月13日にEFが発表した、財団の役割を整理した方針にも沿うものだ。この発表でEFは、自らをイーサリアムの統治機関として行動するのではなく、プロトコルの中核となる原則の維持を支援する管理者として位置づけている。

ブテリン氏は、EFの組織は移行期間にあり、今後数カ月で新たな形態が安定すると見通しを示した。

関連記事:イーサリアム財団、78億円相当のETHをステーキング解除 Glamsterdam準備と体制刷新も発表

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イーサリアムの技術戦略と価値

ブテリン氏は、EFの新たな形を導く原則について、技術的側面からの指針を示している。「イーサリアムは単なる速度ではなく、他が追随できない技術的な深みを持つことが不可欠」と訴え、財団が掲げる基本理念「CROPS」の領域に優先的にリソースを集中すべきだと述べている。その上で、具体的な3つの優先事項として以下の3点を挙げた。

  • AIを活用した形式検証(Formal Verification)による「バグのないイーサリアム」の実現
  • 非同期ネットワーク下でも安全に機能する「無駄のないコンセンサス(Lean Consensus)」
  • トランザクションやウォレットにおける「仲介者の最小化」

関連記事:ヴィタリック、イーサリアムなどの安全性や効率性の向上策を分析

仮想通貨イーサリアムの共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、形式的検証に関するブログを公開。イーサリアムなどの安全性や開発の効率性を高めることができる手法を提示している。

一方でブテリン氏は、財務的な観点からのイーサリアム最大の価値は「ETHという資産」にあると明言している。

イーサリアムは現在、約2,500億ドル規模のETHを保護しているが、検閲耐性や中立性といった性質がETH価値の根幹を支えているとの見方を示した。

ただし、イーサリアム・エコシステム全体を支える役割はEF単独では担えないと指摘した。EFより多くのETHを保有する「ヒーローたち」からの協力が必要となると強調。現在EFは、そうした他の組織とどのように連携し、必要な初期支援を提供できるかについて検討を進めているという。

ブテリン氏は、EFの今後の姿を次のように表現し、自身の提言を締めくくっている。

これからのEFは、過去数年に比べてより小さな船となるだろう。そして、より強い信念を持つ組織になるーある意味では、外部からは理解しがたいほど尖った信念かもしれない。しかし、それはより長持ちする船であり、イーサリアムが世界に対して真に意味のあるものをもたらすことを確実にするのに適した形となる。

関連記事:「イーサリアムの成功には10億ドルの資金を持つ新組織などが必要」元リサーチャーが提案

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