節目回復うかがうビットコイン、年明けにはFOMC議事要旨|bitbankアナリスト寄稿

今週(12/17(土)〜12/23(金))の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

12/17(土)〜12/23(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は小甘く推移し、一時は年初来安値を更新。23日正午時点では224万円周辺で推移している。

週末に米上院銀行委員会(SBC)のブラウン委員長が、現実的に難しくとも本心では暗号資産(仮想通貨)を禁止したいとの旨を示したことで、週明けのBTC相場は230万円周辺から上値の重い展開で始まると、米株の続落を受けてロングの投げを伴い225万円を割り込んだ。20日には自律反発の様相で230万円を一時的に回復するも、日本銀行(日銀)が金融緩和縮小を決定しドル円相場が急落したことにより、ドル建ての取引が主なBTCは円建てで相場が急落し、BTC対円は220万円台前半まで押した。

一方、週央からは11月の米個人消費支出(PCE)の発表控え様子見ムードが広がり、BTCは223万円周辺での揉み合いが続いた。22日には、第三・四半期の米国内総生産(GDP)確報値が3.2%と、改定値の2.9%から上方修正され、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め継続への懸念から、相場は一時220万円割れを試したが、米株が下げ幅を縮小すると連れ高で反発。その後、イーサ(ETH)相場が踏み上げ急進すると、BTCは下げ幅をほぼ解消した。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

先週は主要国中銀が利上げ継続を示したことで、世界的な景気後退入りへの懸念が台頭したが、米GDPが改善すると、FRBの金融引き締め継続が正当化されることから、短期金利も上昇し、ある意味で八方塞がりの状態となった。

現状を打破するにはインフレ減速が必須となる中、本日(23日)には11月の米個人消費支出(PCE)の発表を控えている。生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)は、10月から比較的大幅な減速が確認されており、PCEも市場予想を上回る減速が確認されればBTC相場には追い風となろう。

ただ、足元ではBTC先物の資金調達率がプラス圏で推移し続けており、PCE上振れによる相場急落リスクも注意しておきたい(第2図)。

【第2図:BTC対円、BTC先物資金調達率チャート(1時間足)】出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

そもそも年末年始であまり大きな動きには期待できないかもしれないが、BTCの対ドルは節目1.7万ドル回復をうかがう展開となっており、週末までに同水準の回復に成功すれば、テクニカル的なセンチメントも少しは改善するだろう。

PCEの発表が2022年最後の山場となりそうだが、年明け4日には12月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公開が待ち受けている。先週のFOMC以降、FRBメンバーから政策方針の手掛かりとなる目立った発言は出ておらず、議事要旨の公開で新たに相場の流れができる可能性が指摘される。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコイン17000ドル維持失敗すれば売り加速も

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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