ビットコインのハッシュレートが一時30%以上急落、北米の記録的寒波で
寒波でビットコインマイニング一時停止
暗号資産ビットコイン(BTC)マイニングのハッシュレート(採掘速度)が、米国で発生した大寒波の影響で急落している。米国に拠点を置く仮想通貨マイニング企業が相次いで、ビットコイン採掘量の低下が予測されると発表した。
coinwarzのデータによると、23日の約276 EH/s(エクサハッシュ/毎秒)から25日午前には約169 EH/sまで最大35%以上急落した。これは、多くの大手マイニング事業者が操業を一時停止したことによるもので、26日午前時点では、約240 EH/s付近まで回復した。
1EH/sは、1秒間に100京回のハッシュ計算が実行できる能力である。
ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。
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テキサス州も氷点下に
米国では23日、北極圏から寒冷前線が南下したことにより、広範囲で歴史的な寒波に見舞われた。人口の約7割が住む地域に警報が発令されている。普段は比較的温暖な気候で知られるテキサス州ダラスでも、23日には氷点下12度が観測された。
Riot Blockchainは22日時点で、従業員の安全確保のために、テキサス州ロックデールの施設を一時稼働停止すると発表した。
また、寒波の影響で160万世帯に及ぶ広範な停電も引き起こした。米国エネルギー省は「発電所の故障などの影響による電力不足」を理由にテキサス州を対象とした緊急事態宣言を発令した。
テキサス州にも拠点を置くCore Scientificは24日、「電力網を安定させるために、電力消費削減計画に参加する予定」だとしている。同期間はビットコイン生産量の減少が予想されると説明した。
同社は財政悪化に伴い破産申請を行う方針だが、「マイニング事業は継続しながら、その収益を債務返済に充てる」と報じられているところだ。
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電力需要に合わせてオフラインに
テキサス州は、仮想通貨やブロックチェーンに好意的な政策を打ち出しており、電力も安価であることから、多くのマイニング事業者が拠点を構えている。
その多くは、電力需要のピーク時には消費電力を抑えるようにする契約を、同州の電力管理組織「テキサス電気信頼性評議会(ERCOT)」と締結している形だ。
他に、Compass Miningのマイニング事業責任者のNeil Galloway氏も、次のように述べた。
当社は寒波に対応するため、この週末には(ハッシュレートに)アップダウンがあることが予測される。私たちのホスティングパートナーと技術者は、困難な状況の中で作業しており、進捗が遅くなる可能性があるが、状況を監視していく。
Galloway氏は、電力需要のひっ迫時にマイニングマシンを一時停止することで、人々が家を暖め料理ができる、病院や軍事基地にも必要な電力が供給できると続けた。仮想通貨マイニング企業が、電力需給にあわせて、オンオフを切り替えることで、地域の電力ニーズに対応できることに触れた形だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します