バイナンス共同創設者、インサイダー取引のガイドラインを開示

内部関係者の短期取引を制限

暗号資産(仮想通貨)取引所大手バイナンスがインサイダー取引についてガイドラインを以前から設定していることは明らかになった。内部関係者の短期取引について制限を設けている形だ。

仮想通貨ジャーナリストWu Blockchainが10日、まず以下のように伝えた。

バイナンスの共同創設者He Yi氏は、バイナンスの従業員は職位に関係なく、個人的な短期の仮想通貨取引を行うことを許可されておらず、取引前に90日以上そのポジションを保持する必要があると話した。

また、これを受けてコインテレグラフがバイナンスに連絡したところ、同社の広報はこの規則を確認。全従業員が、すべての取引について90日間ポジションを保持することが義務付けられていると答えた。

バイナンスの幹部は、四半期ごとに全取引活動を報告することが義務付けられており、こうした行為の責任を追及するための内部プロセスを持っているとも続けている。

バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOも11日、このことを確認するツイートを行った。また、バイナンスは最初からこうしたインサイダー取引ルールを設けていたとも指摘している。

CZ氏は「以前は30日ポジションを保持する必要があったが、2年前から90日に変更した」と説明した。

インサイダー取引とは

インサイダーとは、会社の内部者しか知り得ない重要な情報を知る者が、知り得た情報に基づいて、その情報が公表される前に株式などを売買すること。

▶️仮想通貨用語集

インサイダー取引についての調査

昨年5月には、金融部門で従業員コンプライアンスサービスを提供する企業Argusが、バイナンス含め、複数の仮想通貨取引所でインサイダー取引があった可能性を指摘していた。

Argusは、あるトークンの上場発表前にそれを購入し、上場後すぐにそれを売却するというパターンが繰り返されたウォレットに注目して取引活動を分析した格好だ。

その結果、2021年2月から2022年4月までの期間で、こうしたインサイダーとみられる取引により、コインベースで約1.3億円以上、バイナンスで約8,500万円以上、FTXで約1,300万円以上の利益が上がっていると主張した。

この際、バイナンスのCZ氏は、インサイダー取引を否定。「バイナンスは厳格なポリシーを設けており、Argusが分析しているウォレットは、どれも当社の従業員とは関連していない」とコメントしていた。コインベースとFTXもコンプライアンスポリシーを設けていると回答していた。

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その後、FTXが破綻し、顧客資金の流用などずさんな経営を行っていたことが明らかになったことで、仮想通貨取引所の管理体制が以前よりも注視されるようになっている。

バイナンスも、準備資産の開示を始めたり、各国で引き続きライセンス登録を行うなど、コンプライアンス強化に努めている状況だ。

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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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