イーサリアムL2「Optimistic」のテストネット、「Bedrock」移行完了

Optimismのアップグレード「Bedrock

イーサリアム(ETH)のL2ネットワークOptimismは、23年第1四半期中に実施予定の大型アップグレード「Bedrock」に向けて順調に開発を進めている。13日にはテストネットの「Bedrock」への移行が成功した。

次のプロセスは、Optimismメインネットのアップグレードに向けて、ガバナンス投票で可決を得ることとなる。

Optimismは、Bedrockについて「最も安く、最も速く、最も高度なRollupアーキテクチャ」としており、「Rollup市場のゲームチェンジャー」になるものと主張する。

Rollup(ロールアップ)とは、トランザクションの一部をオフチェーン(ブロックチェーン外)で処理することにより、ネットワークの混雑解消を図るスケーリング・ソリューション。OptimismやArbitrum等が採用する「Optimistic Rollup」では通常、L1⇔L2間の資産移動に最大7日間かかる点がネックとなるが、Bedrock後はこれを4倍以上短縮する。

主なBedrockのアドバンテージとしては、ブリッジされた資産の2段階出金を可能にしてセキュリティを向上する、ノード間の同期速度を最大50倍に改善する、L1データ送信コストを他のRollupよりも大幅に削減する(ガス代低下に寄与する)、複数の実行クライアントをサポートすることで分散性を高める、ZK-rollupsを含む多様な証明システムをサポートできる、などがある。

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イーサリアムL2市場競争

同じOptimistic Rollupを採用するArbirtrumや、ZK(ゼロ知識証明)ベースのPolygon「zkEVM」など、L2プロバイダーの開発が活発化している。イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は1月1日、23年中に多くのL2スケーリングソリューション「ロールアップ」が未成熟な段階を脱却し、より分散化が進行するとの見通しを示している。

データサイトL2Beatによると、DeFiプロトコルへの預け入れ総額を示す「Total Value Locked(TVL)」においては、トップはArbuitrum(26億ドル)、Optimismは2位(15億ドル)となっている。

しかし、最近はOptimismのユーザーアクティビティが増加傾向にあり、22年12月にはArbitrumを上回ったことが観測された。データ分析企業Nansenによると、Optimismの1日の取引量は2023年の開始以来100%以上増加したという。

12月21日には、主要な暗号資産(仮想通貨)ウォレットMetaMaskが、ウォレット内のスワップ機能で、ArbitrumとOptimismのサポートを開始した。

12月中旬には、Optimism上でステーブルコイン「テザー(USDT)」と「USDCoin(USDC)」の取引量の急激な増加と、同時期にアクティブアドレスの増加が確認された。

データ分析企業Santimentによると、Optimism上のUSDTとUSDCの平均取引量は1,000万ドル弱であるのに対し、最大10億ドル弱に膨張した。理由はわかっていないが、「何かが控えているかもしれない」とSantimentは指摘している。

出典:Coingecko

Optimismの独自トークンOPの価格は23年初めの118.51円(0.92ドル)に対して、執筆時点に231円(1.81ドル)とおよそ2倍に上昇している。OPの時価総額は501億円で市場ランキング98位となっている。

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