Shanghaiに向け、LidoでETH出金方法が投票へ

Shanghaiアップグレードに備えて

リキッドステーキング(流動的ステーキング)プラットフォームLido Finance(LDO)で、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の出金方法に関する提案書が25日に提出された。

イーサリアムは、マージ後の最初のアップグレード「Shanghai(上海)」を23年3月〜4月にも実施予定。執筆時点でステーキングコントラクトにロックアップされている1,620万 ETH(約3兆1,800億円相当)とステーキング報酬が初めて出金可能になる予定だ。

Lidoはイーサリアムのステーキング報酬を受け取りながら、その代替資産(stETH)を運用できるリキッドステーキングと呼ばれるサービスで支持を集め、イーサリアムのステーキングサービス市場のトップシェア(29%:477万ETH)を占めている。

出典:DUNE

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LidoのETH出金方法

Lidoで提案されたETH出金プロセスは、イーサリアム独自のネットワークメカニズムに沿って複雑なものとなっている。コミュニティのフィードバックを受けた後、LidoDAO(分散型自律組織)の投票にかけられる予定だ。

イーサリアムでは大量のバリデーターが同時期に撤退してイーサリアムネットワークが不安定になることを防ぐため、一定期間に撤退できるバリデーター数に上限が設けられている。これにより、ステーキング解除が可能なETHの総量も限られる。

さらに、バリデーターの出金待機期間として256エポック(~27時間)が設けられる。またノード運用上の罰則(スラッシュ)を受けたバリデーターは、待機期間が最大8192エポック(~36日)まで長期化する設計だ。

Lidoにおいても、一度にすべてのETH出金要請が通過する形にはならない見通しだ。引き出しスパンは2種類あり、最速での出金が可能な「turbo」モードと、大量のスラッシュが発生した緊急時に発動する「bunker」モードがある。

イーサリアムではスラッシュが発動すると32 ETH毎のバリデーターの保有量が削減される。そのためLidoはこの損失をステーキング参加者で均一化するために余分な時間が必要になる。なお、データサイトRatedによると、執筆時点にLidoにおけるETHバリデーター数は148,902あるが、過去にスラッシュを経験したことはないという。

Shanghai後、ステーキングされたETHが出金可能になることで、ETH価格への影響について市場の関心が高まっている。先述のエポックに基づいた試算によると、1日にステーキングコントラクトから出金可能なETHは執筆時点で100億円〜(32×1,575=50,400 ETH+手数料収入)である。

Lidoの提案書では、ハードフォーク後の1週間で少なくとも約20 万ETHが引き出されることが想定されている。

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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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