はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

3月予定の上海アップグレード、イーサリアム市場に与える影響は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーキングETHの出金制限解除

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の次期アップグレード「Shanghai」について、23年3月頃の実施が見込まれる。ステーキングされたETHの引き出しが可能になるため、市場参加者の間でETH価格への影響について関心が高まっている。

1月11日にはステーキングしたイーサリアムの引き出し機能をテストするdevnet(開発用ネットワーク)のバージョン2がローンチされたばかり。2月にはパブリックテストネットが公開予定と、着実に進行している。

関連:イーサリアムのステーキング引き出し機能、開発用テストネットを新たにローンチ

データサイトOKLinkによると、イーサリアムのステーキングコントラクトには、執筆時点でETH供給量の13.2%に当たる1,600万 ETH(約3兆1,800億円相当)がロックアップされている。また、ステーキング参加者に年利4%〜6%の報酬が分配されているが、どちらもShanghaiアップデート後に初めて引き出しが可能になる。

なお、ステーキングされているETHの平均取得単価は22年6月時点で2,404 ドル(約30万円)とされており、含み損状態にあるこれらのETHが出金されても売却される可能性は低いとの見方が出ている。

しかし、1月14日時点にビットコイン(BTC)は22年11月のFTX破綻以降で初めて20,000ドル台に復帰するなど、仮想通貨市場は強気に推移。イーサリアム(ETH)も前日比10%増加して1,550ドル(約20万円)となった。

このまま仮想通貨市場が強気に転じ、ステーキングETHの大半の含み損が解消される場合は、売り圧力について再考する必要があると分析機関Nansenは述べている。

関連:ブロックチェーン企業Nansen、マージ後イーサリアムの売り圧など考察

ETHバリデーターの出金プロセス

仮にShanghaiアップグレード後に含み益のあるステーキング参加者が売却を試みたとしても、イーサリアムでは一定期間に撤退できるバリデーター数に上限が設けられている。

これは、大量のバリデーターが同時期に撤退してイーサリアムネットワークが不安定になることを防ぐための制限だが、ETHが売り圧を平準化する作用も得られるだろう。

ETHStaker Communityによると、イーサリアムにおいてバリデーターが撤退したい時、1)引き出し申請(イグジットキュー)を通過させ、2)待機期間を経過する必要がある。

イグジットキューは1エポック(約6.4分)毎に受け付けているが、各エポックで受け入れられるのは現時点で7バリデーターまで。1日225エポックで1,575バリデーターの引き出しが可能だ。

これに加えて、2)待機期間はバリデータースコアによって異なり、過去にペナルティを受けていれば8192エポック(~36日)、罰則を受けていなければ256エポック(~27時間)が要される。

WestieCapitalのリサーチャーは、仮にバリデータ全体(50万件)の33%が1日にイグジットキューを出しても、全て通過するまで100日前後かかると説明。Shanghaiアップグレード後の予測は困難だが、バリデーター総数の18~21%がイグジットキューを出し、全て通過するまでに70日以上かかるのではないかと見解を述べた。

なお、1日に出金可能なETHは執筆時点で100億円~(32×1,575=50,400 ETH+手数料収入)である。

*参考まで、エポック毎の引き出し申請数は、総バリデーター数を65,536で割り、小数点を切り捨てて算出される。バリデーター数が増えると申請可能数も増えていく。同じ条件はネットワークに参加する新規バリデーターにも適用される。

ETHバリデーターとは

データの保存、トランザクションの処理、ブロックチェーンへの新しいブロックの追加を担当するPoS(プルーフオブステーク)システムのノードのこと。バリデーターソフトウェアを起動するには、32 ETHをステークする必要がある。

ETHホルダーは自分でバリデーターノードを建てるか、仮想通貨取引所やステーキングプールなどのサービスプロバイダーを介して、イーサリアムのPoS(プルーフオブステーク)コンセンサスに参加し、年利4%〜6%のステーキング報酬を受け取る。

どちらのケースもETHの出金はバリデーターのイグジットキューと待機期間を経て初めて可能になる。

▶️仮想通貨用語集

ETHバリデーターは増加傾向

短期的なイーサリアムの売り圧を引き起こしたとしても、出金機能の実装が投資家に安心感を与えることで、長期的には新たなステーキング参加者の獲得につながるとの見方もある。

出典:BeaconScan

実際に、Shanghaiアップグレードの見通しが立つにつれて、イーサリアムのステーキング規模は拡大。データサイトBeaconScanによると、執筆時点にPoS(プルーフオブステーク)バリデーター数は50万件を突破しており、大型アップグレード「The Merge(マージ)」完了時(22年9月15日)の42.8万件からは16%拡大している。

関連ステーキング引き出し機能の実装はイーサリアムの売り圧になるか?

CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/07 土曜日
13:25
中欧チェコ、長期保有の仮想通貨に対する免税へ
チェコ共和国で、3年を超えて保有の仮想通貨によるキャピタルゲインを非課税とする法案が成立した。一定額以下の取引も免税となる。
11:40
仮想通貨と株式市場は割高か、米バンカメのアナリストが警戒
米主要株指数のS&P500は6日に史上最高値を更新し6,090ポイントの値を記録した。一方、仮想通貨ビットコインは5日に10万ドルの大台を突破し6日にはフラッシュクラッシュが発生したものの、7日には再び10万台を回復した。
10:05
米NY連銀元総裁、トランプ新政権のビットコイン準備金構想を批判
米国のトランプ次期大統領のビットコイン準備金構想に対し、NY連銀元総裁が批判的見解を表明した。代わりに規制を整備すべきとしている。
08:50
リップル社のシュワルツCTO、ステーブルコインRLUSDの課題を語る
米仮想通貨関連企業リップルのデビッド・シュワルツCTOは、年内のステーブルコイン「RLUSD」ローンチに対する希望を依然として持ち続けているようだ。The Block主催の仮想通貨カンファレンス「Emergence」に登壇し見解を語った。
07:45
米フロリダ州、25年1Q開始の議会でBTC準備金創設か
フロリダ・ブロックチェーン・ビジネス協会の創設者は、同州の仮想通貨ビットコイン準備金計画について説明。2025年第1四半期からの議会で戦略準備金を創設できるようになる可能性が十分にあるとした。
07:10
アルトコインとビットコインの相関性が低下 アナリスト分析
仮想通貨市場において、昨日ビットコインの急激な変動(フラッシュクラッシュ)に対し、主要アルトコイン銘柄が安定性を示す状況が確認され、アルトシーズンの継続が示唆されている。
06:25
イーサリアム4000ドル突破、3月以来の高値
仮想通貨イーサリアムの価格は昨日のビットコイン主導のフラッシュクラッシュから堅調に回復し、現在4,042ドルで取引されている。
12/06 金曜日
18:22
国税庁、日本居住者による米国ビットコインETFの譲渡所得は「分離課税」の認識示す
米国ビットコインETFの売却益に対する国税庁の見解が明らかに。申告分離課税(20%)適用の判断が、日本の仮想通貨課税制度の見直し議論に波紋を呼ぶ。国内ETF解禁への課題も検証する。
18:00
仮想通貨を種類別に解説|アルトコイン、ミームコインまでわかりやすく
仮想通貨の基本的な分類と代表的な銘柄を初心者向けに解説。決済通貨(BTC・XRP)、プラットフォーム通貨(ETH・SOL)、ユーティリティトークン、ミームコインの特徴や違いがわかります。
14:04
メルコイン、メルペイ残高から暗号資産つみたての自動引き落としを開始
メルカリの売上金(メルペイ残高)から暗号資産の自動つみたてが可能に。メルコインが新機能を追加し、ビットコイン・イーサリアムへの投資がより簡単に。渋谷で記念イベントも開催、最大1万円分のビットコインが当たるキャンペーンも実施中。
14:00
感情に翻弄される仮想通貨投資の実態、8割の保有者が認める=Kraken調査
Krakenの最新調査で、仮想通貨投資の実態が明らかになった。米国の8割以上の投資家がFOMOとFUDに影響され、感情的な意思決定が投資戦略を危うくしていることがわかった。
13:00
ソラナへの戦略的投資を行うソル・ストラテジーズ社、ナスダックへの上場を申請
カナダの仮想通貨投資会社ソル・ストラテジーズが、ナスダック上場を申請した。同社はソラナへの戦略的投資を拡大しているところだ。
12:43
10万ドル達成後のビットコイン急反落、1500億円相当の大規模ロスカットが発生
ビットコイン史上初の10万ドル到達後、急激な価格調整により10億ドルのロスカットが発生した。相場過熱の実態とSUIが上昇した背景などアルトコイン相場を解説。
10:55
トランプ次期大統領、ソラナ初期投資家のサックス氏をAI・仮想通貨特命官に任命
ドナルド・トランプ次期大統領は、ベンチャーキャピタリストのデビッド・サックスを、新たに設置される人工知能および仮想通貨担当の特命官に任命することを発表した。
10:30
リップル社、ステーブルコインRLUSDのローンチに関して声明
リップル社は5日、注目を集めていたRLUSDステーブルコインの発表に関する憶測に正式に対応した。トランプ次期政権への期待を受けて、仮想通貨XRPの価格は過去30日で341%上昇し、2021年の高値を超えている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧