東欧モンテネグロ、リップル社とデジタル通貨の実証実験へ
リップル社とデジタル通貨プロジェクト開始
バルカン半島に位置するヨーロッパの国モンテネグロのドリタン・アバゾビッチ首相は先日、リップル社と協力して、同国のデジタル通貨あるいはステーブルコインを構築する実証実験プロジェクトを開始したと述べた。
アバゾビッチ首相は、世界経済フォーラムのダボス会議で、リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOとジェームズ・ウォリス氏と会談。ウォリス氏は、リップル社で中央銀行デジタル通貨(CBDC)の責任者を務める人物だ。
アバゾビッチ首相は、次のように説明している。
私たちは、金融アクセスを拡大し金融包摂を提供する決済インフラの開発について議論した。モンテネグロは、新しい価値と投資に対してオープンである。
モンテネグロは、EU(欧州連合)には加盟していないがユーロを通貨として利用しており、自国通貨は持っていない状況だ。このため、これから実証実験(パイロット)を始めるデジタル通貨が、どのような資産と結びつくのかは不明であり、まだ詳細は明かされていない。
CBDCとは
各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。
▶️仮想通貨用語集
イーサリアム創設者に市民権付与
モンテネグロは、人口約62万人の小国であるが、最近暗号資産(仮想通貨)の導入に積極的な姿勢を見せている。
モンテネグロは2022年4月、イーサリアム(ETH)創設者ヴィタリック・ブテリン氏に市民権を付与した。この際、同国のミロイコ・スペイジ財務相はブテリン氏は「モンテネグロのさらなる振興と、我が国における仮想通貨産業の発展に貢献していく」とコメントしている。
同月、モンテネグロは「Future Now!」という仮想通貨に関するカンファレンスを開催。ブテリン氏とスペイジ財務相、さらにイーサリアムのリサーチャーや法学の研究者が、仮想通貨の規制、政府による採用などを議論した。
スペイジ財務相は、「3年以内にブロックチェーン産業はモンテネグロ経済の約30%を占め、国内総生産(GDP)にさらに約2,100億円から2,800億円(15億から20億ユーロ)貢献できると思う」とも見解を述べた。
リップル社のCBDCプログラム
リップル社は、CBDCについて提携を進めているところだ。ブータンやパラオ共和国、デジタル・ユーロ協会(DEA)などと協力して、CBDCの実証実験や研究開発に取り組んでいる。
2022年8月には、同社のCBDC開発プラットフォームでクロスボーダー取引のために仮想通貨XRPを使用することも明らかにした。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します