ソラナ開発のSolana Labs、アップデート工程の見直しを表明

アップデート工程の見直し

暗号資産(仮想通貨)ソラナ(SOL)のブロックチェーンを開発するSolana Labsは1日、先週発生したトラブルについてレポートを発表。原因は未だ調査中とする一方で、再発防止策を打ち出した。

アップデート中のネットワーク安定性を維持するために、立場の異なる開発者チームによるクロスチェックを加える旨を表明している。

ソラナブロックチェーンは2月25日、処理速度とスケーラビリティ向上を目的にネットワークアップデート1.14を行っていたが、その過程でトラブルに見舞われ約18時間の遅延の末に1.13にダウングレードする処置を取っていた。

Solana Labsはまず、ソフトウェアのリリース工程において、テストとエクスプロイトの発見を行う目的で外部開発者や監査人を追加投入する方針を示した。現在、ソラナのバリデータクライアント「Firedancer」を構築しているJump Cryptoの開発チームや、ソラナ構築ツールを開発するMango DAOなどが想定されている。

また、従来はコアエンジニアのみが統合テストを実施してきたが、これも重層化する。新たにSolana Labsのコアエンジニアチームの約1/3で構成される敵対的チームを結成し、プロトコル全体の脆弱性チェックを行うこととなる。

関連:ソラナ共同創設者が語る、ネットワーク一時停止問題の解決策とは?

ソラナ・クライアントの追加

中長期的なビジョンについてSolana Labsは、以前からサードパーティのエンジニアリングチームと協力してネットワークの改善に向けて取り組んできたことを指摘。これらの取り組みの目的に「安定性強化」を加えるとした。

具体的には、現在構築中の2種類目のソラナクライアント「Firedancer」が重要なソリューションの一つとして期待される。Firedancerは22年8月に開発をスタート、当時、完成までに約1年を要すると報告された。

分散型ネットワークにおいて、ネットワークのセキュリティ、回復性、耐検閲性を強化するために、「クライアントの多様性」が重要となる。参考までにイーサリアム(ETH)の各クライアントのシェアは33%を下回っている。

ソラナは昨年にも幾度かネットワーク障害に見舞われた経緯がある。主な要因としては、ボット(bot)由来の大量トランザクションの発生があり、メインネットで大規模な送金詰まりが引き起こされてきた。

Solana Labsはこうしたボット由来のネットワーク遅延を回避するために、通信プロトコルをUDPからQUICに変更済み。今後は、①トランザクションの優先順位付けにステークウェイトQoSの追加、②需要が高いほど手数料を引き上げる「手数料市場」、③RPCインフラの負荷軽減のための改善、といった対策を導入する方針を示してきた。

関連:ソラナ(SOL)のボット問題、「3つの改善策」の1つ目がまもなく実装へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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