はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ソラナ共同創設者が語る、ネットワーク一時停止問題の解決策とは?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ソラナ一時停止の背景

ソラナ(SOL)ブロックチェーンの共同創設者Anatoly Yakovenko氏は6日のインタビューで、直近のネットワーク障害について語った。

ソラナのメインネットワーク(ベータ)は、単一ノードの構成ミスが原因で、日本時間1日の午前9時45分頃から約7時間、稼働停止状態となった。

ソラナ財団が運営するSolana Statusは原因について、「誤って構成されたノードが原因で、ネットワーク内に回復不能なパーティションが発生した」と述べ、原因究明に当たっていた。

Yakovenko氏はこの件について「誤った設定のバリデーター(検証者)がネットワークを混乱させ、分岐(フォーク)のうちどれが正当なチェーンか後続のバリデーターが判断できなくなり、ネットワークが停止した」と説明。

しかし、ソラナには2,000の異なるバリデーターがあるため、「このような障害によってユーザーの資金やプログラムの状態が危険にさらされることは一切ない」と強調した。

関連:「バリデーター分散化が向上」ソラナ財団の8月報告

バリデーターとは、ブロックチェーンに記録されるデータの妥当性を検証するノードのことで、対価として仮想通貨の報酬を得る。各バリデーターは独立して稼働するが、ネットワークデータのコピーを共有・更新する。

そのため、仮に大規模な障害が起きたとしても、Yakovenko氏は「これらのコピーの1つが残っている限り、ネットワーク全体を効果的に復旧ができる」と加えた。

関連:ソラナ、ネットワーク障害で5時間強ダウンタイム

ソラナの改善策

10月1日のソラナ・メインネットワーク(ベータ)の一時停止は、22年に少なくとも4回目となる。多くはボットによるトラフィック急増でネットワーク容量が圧迫されて起きたものだ。

ChainSadfeによれば、こうした課題はクライアントの多様化によりカバーできる可能性がある。イーサリアム(ETH)は 2016年にサービス妨害攻撃(DOS)を受け、Gethクライアント内でメモリ不足エラーが発生し、ブロック生成が停止した事例があった。しかし、別のクライアントが影響を受けず、マイナーはクライアントを切り替えて解決している。

冒頭のインタビューでYakovenko氏は、開発中の2つ目のクライアント「Firedancer」が長期的なソリューションになると指摘した。8月に開発が発表されたFiredancerは、Web3企業のJump CryptoがSolana Foundationと共同で構築している「C++」プログラミング言語ベースのクライアントである。

Solana Labsが提供するRustベースの既存クライアントに対して、Firedancerは有効な代替ソリューションとなる。Yakovenko氏は「独立したチームなので、彼らのコードに我々と同じバグがある確率はほとんどゼロだ」と加えた。

関連:ソラナ安定性向上へ VC大手「Jump Crypto」がクライアントを開発

クライアントとは、ノード(コンピューター)がブロックチェーンと通信するのを支援するソフトウェア。クライアントを介して、ノードはトランザクションのブロードキャスト(伝播)や検証、スマートコントラクトを実行し、ネットワークは合意形成を得る。

分散型ネットワークにおいて、ネットワークのセキュリティ、回復性、耐検閲性を強化するために、「クライアントの多様性」が重要となる。

イーサリアム(ETH)のエコシステムを調整するEthereum Foundationは、各クライアントのシェアが33%を下回ることを目標に開発チームを支援してきた。しかし、直近の大型アップグレード「The Merge(マージ)」を経て、単一クライアントのシェアが急増している。

関連:イーサリアムのメインネット強化へ 新たな奨励プログラムを発表

ソラナにおいて、今後12か月以内に予定されるFiredancerがリリースされると、Solana Labsの単一クライアントがバリデーターの圧倒的多数を占める状況を改善できる。将来、バリデータークライアントで問題が発生した場合にネットワークの安定性を確保できると期待される。

Yakovenko氏は以前、「2番目のクライアントにより、ネットワークの信頼性を指数関数的に向上させることができる」と語っていた。

関連:Solana Labs唯一の日本人エンジニアが語る、ソラナの魅力

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
12:43
史上最高値を試すのは時間の問題か、米中貿易緩和も上値トライ失敗|bitbankアナリスト寄稿
米中関税115%引き下げ合意やインフレ指標下振れもビットコイン上値を抑える展開。アリゾナ州知事の暗号資産準備金法案への拒否権行使も影響。短期筋による損切り送金増加で売りをこなした可能性。史上最高値トライは時間の問題か。bitbank長谷川アナリストが週次相場分析を解説。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧