ソラナのパフォーマンス低下
暗号資産(仮想通貨)ソラナ(SOL)のメインネットワーク(ベータ)が、日本時間1日の午前9時45分頃から稼働停止状態となった。
原因は特定のバリデーター(検証者)による偶発的な設定上のエラーが、全体に波及したものと見られている。ソラナ財団が運営するSolana Statusは、午前10時頃、ネットワークのバリデーターに再起動を呼びかけた。
Update: https://t.co/H1uAV7BFAD
— Solana Status (@SolanaStatus) October 1, 2022
ソラナネットワークは停止した時点のスロット番号「153139220」で再開するため、バリデーターの再起動を待っている。観測サイトStakewizによると、執筆時点にネットワーク再開の閾値である80%に対して、57%のリスタートが完了している状態だ。
ソラナでバリデータを運営するStakewizによれば、ネットワーク障害の原因は、ブロック生成の権限を受け取っていたバリデーターが、同じIDで2つのマシンを運用していたことにある。
2つのブロックが伝播した結果、後続のリーダー・バリデーターにとって正当なチェーンが判断できなくなり、分岐(フォーク)が延伸した格好だ。
フォークの発生
ソラナでは通常、重複ブロックを生成するバリデーターを監視しており、確定前に修正するシステムが働き、違反者に罰則を課している。今回の場合、何らかの理由で修正不可能なフォークを引き起こしたと見られている。
Stakewizはまた、IDを2つの端末に重複して設定したエラーについては事故的なものと指摘。ダウンタイムなしでソフトウェアをアップグレードする際に用いられる「フェイルオーバーセットアップ」という手法で、失敗した可能性があるようだ。
ソラナのメインネット(ベータ)ではボット(bot)由来の大量トランザクションにより、過去数回に渡ってメインネットの大規模な送金詰まりが発生してきた。5月には、NFT(非代替性トークン)を発行するトランザクションが急増したことで、バリデーターのメモリ使用料を圧迫し、7時間に渡ってネットワークが停止していた。
関連:ソラナ(SOL)の発展と課題・今後の重要イベントについて、Messari社レポート