米メタ社、NFTへの取り組みを停止

NFT以外の事業を優先へ

米メタ社のコマース・金融技術担当責任者を務めるステファン・カスリール(Stephane Kasriel)氏は14日、NFT(非代替性トークン)への取り組みを停止すると発表した。

カスリール氏は、理由として、社内で他の事業を優先的に行っていくことになったと説明している。クリエイターを支援すること自体は、優先課題であり続けるとして、次のように述べた。

クリエイターや企業がそのファンとつながり、マネタイズする機会を作ることは引き続き優先事項の一つだ。

今後は、メッセージング機能や、リール(ショート動画)におけるマネタイズ機会など、大きな規模でインパクトをおよぼすことができる分野に注力していくつもりである。

メタ社はInstagramやFacebookを運営しており、2022年5月には米国限定でアプリ内でのNFT対応を試験的に開始。同8月には、イーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)などに対応するNFT投稿・共有機能をアメリカ大陸、アジア太平洋地域、中東、アフリカなど100か国に拡大していた。

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NFTとは

「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。

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メタ社の注力分野

メタ社の広報担当者も、NFT事業の停止について、NFT分野から、Meta Payのような決済サービスや、クリエイターがMetaプラットフォーム上で直接お金を稼ぐことができるチップ機能などに投資をシフトしているとコメントした。

Meta Payは、メタ社が一部の地域で提供している決済サービス。Facebook、Messenger、Instagram、WhatsAppなどで使用可能で、ショッピングや寄付や送金を行うことができる。2022年6月時点で、メタ社のマーク・ザッカーバーグCEOは将来Meta Payを、メタバースのウォレットにしたいと語っていた

デジタルの衣服やアート、動画、音楽などを売買する際には、特に様々なサービス間で持ち運びする際に所有証明が大切だとも説明している。

最近の動きとしては、ツイッターに似た分散型SNSアプリのリリースを検討していることも報じられた。

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メタ社は、長期的な取り組みとしてメタバースに力を入れているところだが、まだメタバース部門は採算が合わない状況だ。ARやVRなどメタバース関連製品に取り組む部門Reality Labsは、2022年に約1.8兆円(137億ドル)の損失を出している。

また、22年11月、メタ社は全世界の従業員の約13%に当たる約11,000人を解雇。今月にも、新たに数千人規模の人員削減を行うことが報じられているところだ。

メタバースとは

インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使い、様々な楽しみ方ができる。例えば、『The Sandbox』というゲーム内のメタバースでは、ボクセルアート制作ツールやゲーム制作ツールが提供されており、ユーザーはそのなかで自作のゲームや施設を作ることができる。

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