イーロン・マスク氏、ドージコイン訴訟で原告の申し立てを否定
「詐欺行為を説明できていない」と反論
イーロン・マスク氏とその弁護団は3月31日、暗号資産(仮想通貨)ドージコイン(DOGE)をめぐる訴訟について、原告側の申し立てを却下するよう要請する書類をマンハッタンの連邦裁判所に提出した。ロイター通信が報じた。
弁護団は、原告の投資家たちが被告であるマスク氏が、ドージコインについての発言を行うことでどのように詐欺を行うつもりだったのか、どのようなリスクを隠していたのかを説明できていないと述べた形だ。
原告の申し立て内容
背景として、キース・ジョンソン氏を中心とする投資家らは2022年6月、マスク氏がドージコインを誇大に宣伝して利益を得たとして、約34兆円(2,580億ドル)の支払いを求める訴訟を起こしていた。
原告は、マスク氏が、ドージコインに本質的価値がないと認識しながら、不当な利益を得るために同トークンを宣伝していたと主張している。また、利益や娯楽のためにドージコインによる「ピラミッドスキームを操作していた」とも申し立てていた。
マスク氏のツイートがドージコイン価格に影響を与えていたことは知られている。例えば、2021年2月のドージコイン関連投稿では100万いいねを獲得、ドージコイン価格は前日比60%高になった。
原告は、マスク氏がドージコイン価格を高騰させた後、意図的に暴落させたとも主張。特に、2021年5月にマスク氏がサタデーナイトライブに出演してドージコインに関してネガティブな発言を行った直後、ドージコイン価格が25%以上下落したことを問題している。
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ピラミッドスキームとは
ネズミ講の一種。参加する者に報酬を約束すると共に、参加者が新たなメンバーを勧誘した際にも報酬を支払うとする。一般的に実際の投資事業などは行わず、加入する際に参加者が支払った金額を、既存会員に分配するもの。このスキームが維持されるためには、新たな参加者が無限に登場することが必要とされるため、いつか破綻する。
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マスク氏側の反論
今回、マスク氏側の弁護団は、「Dogecoin Rulz(ドージコインは最高!)」や「no highs, no lows, only Doge(浮き沈みはない、ただドージだけがある)」といったマスク氏のツイートは意味が曖昧であり、これを持ってマスク氏が詐欺を行ったという申し立ては支持できないと述べている。
弁護団は、次のように論じた。
約100億ドルの時価総額を保持し続ける合法な仮想通貨を支持する言葉や、その仮想通貨についての面白い写真をツイートすることは違法とは言えない。
裁判所は、原告が抱いている幻想に歯止めをかけ、訴状を却下すべきだ。
過去に物議も
マスク氏は、ドージコイン以外にもビットコイン(BTC)などに関する発言を行い、物議を醸してきた経緯がある。
特に2021年には、仮想通貨関連のツイートが目立った。マスク氏には現在1.3億人のツイッターフォロワーが存在。21年時点でもフォロワーは5,600万を超えていたことから、その発言は仮想通貨市場にも影響を及ぼしていた。
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