CoinGateがライトニングネットワークを使ったビットコイン高速決済を4,000の事業者に拡大
- Coingateが4,000事業者でライトニング・ネットワーク決済を可能に
- リトアニアの仮想通貨決済サービスのCoinGateが、CoinGateプラットフォームを利用する約4,000の事業者に対し、ライトニングネットワークを利用した決済の提供を開始。同社CEOは「まだ立ち上げ間もなく、先進的な利用者、あるいはコアなビットコイン愛好者に向けたもの」と控えめだが、試験段階から協力事業者の好意的なフィードバックが寄せられており、マイクロペイメントの普及に向けた大きな節目になりそうだ。
- ライトニング・ネットワークとは
- 日常的な細々とした支払い/決済(マイクロペイメント)を、ビットコインを使ってより手軽に行えることを目的とした、ビットコインのセカンドレイヤーで機能するオープンソースプロトコル。2015年に研究者のタデウス・ドライジャ氏とジョセフ・プーン氏が発案し、ホワイトペーパーで公表した。
リトアニアの仮想通貨決済サービスのCoinGateが、CoinGateプラットフォームを利用する約4,000の事業者に対し、ライトニングネットワークを利用した決済の提供を開始しました。
ライトニングネットワークとは
ライトニングネットワークはビットコインネットワークの第2層(セカンドレイヤー)を使った、高速決済を実現するプロトコルです。
平たくいえば中間認証/決済を簡略化します。
よく引き合いに出される「アリス-デービッドの取引」を例にすると、標準のビットコインネットワークはアリス→ボブ→キャロル→デービッドの1対1の順送り認証/決済を行います。
結果、ビットコインネットワークでは、コーヒーやキャンディ、チップと行った極めて少額の支払いであっても、平均1秒7件の処理量にとどまり、事業者側も1件当たり10円から20円の手数料を取らないと割に合わない状況でした。
ライトニングネットワークはこれを簡略化し、「アリス→デービッド」のより直接的な決済を実現します。
決済時間も取引手数料も大きく削減されることがメリットとなります。文字通り、「ライトニング(高速)な」決済をビットコインで実現しようとするものです。
今回実現するライトニング決済のポイント
本稿執筆時点で使用可能な通貨はユーロと米ドルです。
より具体的には、CoinGate加盟の事業者とオンライン店舗が「(従来同様の)ビットコイン決済」と「CoinGateのビットコイン→ユーロ/ドル両替サービスを利用した決済」のどちらかを選択できるようになります。
ユーロ/ドル決済のオプションは、ビットコインのボラティリティを避けたい利用者には朗報でしょう。
CoinGateの協同創設者でありCEOのDmitrijus Borisenka氏は、次のように述べています。
「ライトニングは、当社が思い描く、ビットコインの将来の姿を具体化したものです。とはいえ、ライトニングネットワークはまだ立ち上げ間もなく、先進的な利用者、あるいはコアなビットコイン愛好者の利用に適しています」
CoinGateは今年2018年7月1日より、100の事業者で構成されたグループとライトニング研究所(Lightning Labs)の協業により、ライトニングネットワークの統合開発を行ってきました。
その結果、「かなり好意的なフィードバックが寄せられるものだった」と同社は述べています。
ライトニングネットワークが広く一般的に受け入れられるのは、まだ少し先のことになるでしょう。
しかし、CoinGateが今回特にマイクロペイメントの実現に向けた大きな一歩を踏み出したことは間違いありません。
ビットコインの支持者や愛用者にとって、大きな節目となるはずです。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します