仮想通貨大手企業Circle社:米国土安全保障省の元法律顧問をCLOに任命
- 米国土安全保障省の元法律顧問をCLOに任命
- 今年2月、大手取引所Poloniexを買収したCircle社は、米国土安全保障省の元法律顧問を最高法務責任者(CLO)として招き入れたことを明かした。同業界における法務専門家の需要は、急速に高まっている。
Circle社が、米国土安全保障省の元法律顧問を採用
仮想通貨関連サービスを提供する「米Circle」社は9月6日、同国の行政機関である国土安全保障省(Department of Homeland Security)にて、1,700人以上の弁護士を束ねる法律顧問を4年間務めた「Gus Coldebella」氏を最高法務責任者(CLO)として任命したことを明らかにしました。
Circle社は、個人間決済サービスや、仮想通貨取引所Poloniexの運営、仮想通貨OTC取引、少額からの仮想通貨投資を実現したCircleInvestなど多くのサービスを提供し、今年2月には大手取引所Poloniex(ポロニエックス)を買収。
さらに、ゴールドマン・サックスやBAIDUなどの世界的に有名な企業からの出資も受けています。
そのほか、仮想通貨テザー(USDT)のように法定通貨に裏付けられ、法的にも規制されるペッグ通貨”USDコイン”の発行も検討していることを発表しており、お金だけでなく、家、貴金属、土地など世界中のあらゆる資産がトークン化され、ブロックチェーン技術上で管理され、移動するようになる社会を目指し取り組みを進めています。
Coldebella氏は、同社の法務、コンプライアンス、規制、政府業務など幅広い分野を任されるようになり、仮想通貨業界の非常に複雑な規制環境に柔軟に対応していくことが求められています。Circleの公式ブログでは、以下のように記述されました。
価値のインターネット(IoV)を推進していくことを目的として、適切な法的枠組みを構築し、世界中の立法者や規制局と協力していくため、Coldebella氏のリーダーシップは欠かせない。
技術的革新による自由や金融システムの向上を阻もうと試みる悪質な第三者に対応するために、絶え間なく政府と協力しくことが必要不可欠だ。
さらに、最高法務責任者(CLO)となったColdebella氏が指揮するチームには、
- Robert Bench氏:Santander銀行やPwCでコンプライアンス責任者
- Carla Carriveau氏:FINRAやSECで規制に関する18年の経験
- Blair Halliday氏:NY証券取引所(NYSE)を子会社に持つIntercontinental Exchange(ICE)やPaySafeでコンプライアンス責任者を歴任
- Benedicte Nolens氏:Credit Suisseで最高運営責任者(COO)やゴールドマンサックスで運営ディレクターを歴任
など、優秀な人材によって組織されることが明らかになっています。
仮想通貨業界における規制の重要性
今回の発表に伴い、Circle社は「仮想通貨業界における規制の重要性」について、以下のように言及しています。
金融や仮想通貨分野における法律面の複雑さは並大抵ではなく、規制に向けた問題点として露わになってきている。その未熟さは、国際経済システムの向上、再定義において非常に重要なものだ。
Circle社は設立当初より、政府との関係強化に注力してきた。政府との協力及び法律の前進こそが、”新しい経済”を構築していく上で必要不可欠であると考えている。
Circle社のように仮想通貨業界における法務面の重要性を十分に理解し、適切な人材を集めて、規制への対応に積極的に取り組んでいることは注目すべき行いであると言えます。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します