ビットコイン相場、来週は週央から大きく動く可能性|bitbankアナリスト寄稿

今週(4/1(土)〜4/7(金))の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

4/1(土)〜4/7(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は370万円で揉み合いに終始している。

OPEC+の突然の減産表明を受けた原油価格の急上昇、延いてはインフレ加速懸念からドル高が週明けのBTC相場を圧迫するも、米景気減速懸念からその後ドルが急落すると、金(XAU)相場の上昇に連れ高となり、BTCは380万円回復をうかがった。

一方、週明けの米株式市場はテクノロジー株に売りが入り、BTC相場は反落。さらに、バイナンスのCZがインターポールから国際指名手配されたとの噂がツイッターで広まると、370万円を割った。

しかし、CZが即座に噂を否定するとBTCは買い戻されジリ高に転じ、イーサ(ETH)相場の上昇に連れて370万円を回復。週央にETHが9ヶ月ぶりに1,900ドルに乗せると、BTCは再び380万円乗せをうかがったが、ドル建てで21年安値がレジスタンスとなり失速した。

その後、3月のADP雇用レポートで月間の民間部門雇用者増加数が市場予想以下となり、BTCは一時的に上値を試したが、景気後退懸念が米株先の重石となると、米供給管理協会(ISM)のサービス業PMIも下振れ米株をさらに圧迫。BTCは株安に連れて上値を重くし、ドル建てで節目の2.8万ドル水準まで押した。

足元では、バイナンスがオーストラリアでデリバティブ(金融派生商品)取引免許の剥奪と悪材料も確認されているが、2.8万ドル水準で小幅に揉み合いとなっている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

今週はISMの製造業PMI、サービス業PMI、JOLTs求人件数、ADP雇用統計が軒並み悪化し、米国債利回りは全ての年限で低下した一方、景気後退懸念が台頭し米株が軟化したことでBTCは綱引き状態となった格好か。ただ、今夜(7日)の米雇用統計は、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策に与える影響が大きいことから、JOLTsやADPに倣って弱めに出れば、5月の利上げ見送りを織り込む動きが加速し、BTC相場にはプラスとなるだろう。

BTC相場は高値揉み合いとなってから3週間ほど経つが、テクニカル的には来週にも動きが出てきてもおかしくない。一目均衡表では、相場トレンドが変化しやすいタイミングを示す時間論があり、その中で足元のトレンドが「一期」すなわち26日経過すると、トレンドに変化が出やすくなると言われている。

足元のBTC対ドルチャートは、先月18日から2.8万ドル周辺での揉み合いが続いており、来週には遅行線(第2図内青線)がローソク足の実体に追いつき、揉み合いが始まってから一期経過したことを示してくれる。

【第2図:BTC対ドルと一目均衡表(日足)】出所:Glassnodeより作成

奇しくも、高値揉み合いから一期が経過する直前には3月の米消費者物価指数(CPI)が控えている他、イーサリアムの上海アップグレード実施が予定されており、来週は週央からの相場が大きく動く可能性が高いと言えよう。

一目均衡表では強い買いシグナルとされる「三役好転」、移動平均線でも買いシグナルとされる「パーフェクト・オーダー」(短中長期線が上から順に推移する現象)が起きている他、RSIからも過熱感は確認されず、テクニカル的には上方へのブレイクアウトが期待されるが、まずは7日の米雇用統計を無事に通過できるかに注目したい。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:XRP筆頭に堅調のアルトコイン、ビットコインも引き続き強気か

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