大手VCのa16z crypto、新たな仮想通貨指数を紹介
仮想通貨の発展をスコア化
大手ベンチャーキャピタル「a16z」の暗号資産(仮想通貨)部門「a16z crypto」は11日、新たな指数「State of Crypto Index」を紹介した。
今年開始した新しい取り組みが、この指数の作成だと説明。State of Crypto Indexは、金融面ではなく技術面から見た仮想通貨領域の状況を1つのグラフで表す。同社は、この指数は「Web3のイノベーションや普及の速度」と言い換えることができると説明した。
具体的には、アクティブなアドレスや開発者の数、開発者ツールのダウンロード数、検証済みのスマートコントラクトの数など14の要素を月ごとに加重平均して算出し、仮想通貨の状況をスコア化している。a16z cryptoは、仮想通貨の状況をより正確に、細かく把握するための指数だと説明した。
スマートコントラクトとは
あらかじめプログラムされた条件に応じて、自動的に契約を執行する仕組みを指す。スマートコントラクトの機能が実装されているブロックチェーンで代表的なのはイーサリアム(ETH)。
▶️仮想通貨用語集
実際のグラフが以下。2021年10月をピークにスコアは下がっていたが、最近ではまた上昇傾向にある。ビットコイン(BTC)が最高値を更新したのは、同年11月だった。
本記事執筆でState of Crypto Indexのスコアは、前月比で11.54%上昇。前年比では5.86%のマイナスだが、3年前よりは1,577%超上昇した。
この指数は、算出に使用する要素の加重をユーザーが調整することも可能。a16z cryptoは、指数を構成する各要素のグラフも個別に掲載している。
レポートを公開
a16z cryptoは今回、仮想通貨に関するレポートを公開。上記の指数は、レポートの公開に合わせて紹介した。
2023年版の本レポートでは、ブロックチェーンのアクティブユーザーや、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)に関する活動が増えてきていると指摘。アクティブな開発者の数も、過去3年間でみれば着実に増えてきているとした。また、ゼロ知識証明の開発も非常に速いペースで進んでいると述べている。
関連:「NFTを国の成長戦略に」自民党デジタル社会推進本部・平将明議員インタビュー
ほかには、米国がWeb3領域で主導権を失いつつあると指摘。2018年から2022年の間、世界に占める米拠点の開発者の割合は26%減少したという。そして、a16z cryptoは「熟慮された規制が、米国の仮想通貨の発展を促すことができる」と主張した。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します