米仮想通貨取引所Gemini、オフショア市場「Gemini Foundation」を発表
Gemini Foundationの設立
米国を拠点とする暗号資産(仮想通貨)取引所Geminiは21日、グローバル版の仮想通貨デリバティブ取引プラットフォーム「Gemini Foundation」を発表した。
Gemini Foundationは、米国内の金融市場と比較して規制の不確実性が少ない国際金融市場をターゲットとし、主に米国外に住む人たちがトレードや資産管理を行うオフショア市場として機能する。
近日公開予定のプラットフォームでは、最初にビットコイン(BTC)の現物市場と最大レバレッジ100倍の取引が可能な「永久スワップ」を提供する。その後、イーサリアム(ETH)も取り扱う予定だ。どちらも、Geminiが発行する米ドル連動型ステーブルコイン「ジェミナイドル(GUSD)」を用いて決済が行われる。
Geminiは、「適格な顧客が仮想通貨資産を活用し、リスク管理やリターン生成、市場の動きに対するポジション取得を行えるようにする」と述べている。
サービスは近日中に公開される予定で、個人投資家と機関投資家の両方を対象にし、優先アクセスが受けられる待機リストへの登録を勧めている。
ただし、Gemini Foundationは、米国やEU、日本、中国の投資家の利用は受け付けていない。対象となる地域はシンガポール、香港、インド、アルゼンチン、バハマ、バミューダ、英領バージン諸島、ブータン、ブラジル、ケイマン諸島、チリ、エジプト、エルサルバドル、ガーンジー、イスラエル、ジャージー、ニュージーランド、ナイジェリア、パナマ、ペルー、フィリピン、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、南アフリカ、韓国、スイス、タイ、トルコ、ウルグアイ、ベトナムといった国々が含まれている。中には「タックスヘイブン(租税回避地)」と呼ばれる国も多く存在する。
米仮想通貨企業の海外展開
規制の不確実性に対処するため、米国の仮想通貨企業はオフショア市場の開拓に乗り出す可能性がある。先日、米コインベースはバミューダ通貨庁からライセンスを取得したことが明らかになり、バミューダでデリバティブ取引所を立ち上げるとの報道もあった。
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また、コインベースは米証券取引委員会(SEC)からウェルズ通知を受け取ったことを受けて、規制の明確化や不公平さを裁判で証明する必要性があると主張していた。SECは最近、事業登録なしで有価証券の取引・仲介・清算サービスを提供したとしてBittrexを告訴し、次に告訴される可能性があるのはコインベースだとの見方が上がっていた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します