米コインベース、SECに対する反論を公開 未登録証券問題めぐり
SECに対する返答を公開
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは27日、米証券取引委員会(SEC)の「ウェルズ通知(Wells Notice)」に対する返答を一般公開した。コインベースは有価証券を上場しておらず、SECは恣意的な取り締まりを行っていると批判している。
コインベースは、SECが仮想通貨企業のための適切な登録システムを設置する義務を果たしていないとも指摘。「SECに対する訴訟を好んでするわけではないが、自分たちを保護し、法の支配を守るためにも立ち上がるつもりだ」との姿勢を示した。
背景
背景として、SECがコインベースに送付した「ウェルズ通知」とは、企業などに対して、SECが法的措置を講じる予定だと伝える公文書である。SECは、上場している仮想通貨やステーキングサービス「Coinbase Earn」などが証券にあたる可能性があるとしてコインベースを調査していたところだ。
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これに対して、コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、実際に裁判を行なって判例を作り、規制を明確にする必要があるとして、裁判で争う準備をしていると述べていた。
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反論内容
コインベースは、SECはこれまで明確なガイドラインを示してこなかったとして改めて批判し、証券取引法修正案の提示にも言及した。
SECは14日、証券取引法規則の修正案を提示してパブリックコメントを募集している。修正案は、「DeFi(分散型金融)」も含め、「仮想通貨証券」を取引するプラットフォームへ、既存のルールを適用可能とするような定義を組み込むものだ。
コインベースは、こうした動きはSEC自体もこれまで明確なルールがなかったことを認識している証拠だという趣旨を示し、次のように申し立てている。
この動きは、SEC自体が、明確なルール作りが必要であることに同意していることを示す証拠だ。さらに、今までこうしたルール作りを行ってこなかったことは、SECが、これまでコインベースなど仮想通貨業界に明確なルールを提供していなかったという事実を裏付けている。
また、こうしたルール作りを行ったとしても、それは仮想通貨へのハウイーテスト適用など、他の重要な問題に対処するものでもない。
以上のことだけを見ても、SECはコインベースに対して強制措置を行うことを止めるべきだろう。
ハウイーテストとは
米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. Howey社に対する訴訟事件に由来する。これ自体には法的拘束力はないが、SECはこのテストをもとに複数のICO(トークン販売)に対してリーガルアクションを起こした経緯がある。
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さらに、2018年以降、コインベースはSECに対してコインベースにおけるトークン上場プロセスやステーキングサービスについて証券法の面から助言を求めてきたが、その際にSEC職員は、これらのサービス提供について特に懸念を示すことはなかったと続けている。
コインベースは、SECがその主張内容を立証するためには、様々なハードルがあるとも述べた。
例えば、CFTCは多くの仮想通貨を「証券」ではなく「商品」であるとして、SECとは異なる見解を示しており、SECはこの見解の相違を解決する必要があることに言及。
その他にもハウイーテストの適用方法や、コインベースのサービスが既存の法律の定義に適合すると証明することも簡単ではないと続けている。
コインベースは、賢明な仮想通貨政策を求める、クリプト・コミュニティの団結の象徴として「Stand with Crypto」というNFT(非代替性トークン)も発行しているところだ。
実用性や価値を意図したものではなく、発行手数料は、仮想通貨を擁護するための組織に寄付される予定である。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します