データセンター企業Soluna、米国で新たな仮想通貨マイニング施設を開発へ
約19億円の投資パートナーシップ
データセンター企業Soluna Holdingsは15日、暗号資産(仮想通貨)マイニング施設運営などを行うNavitas Globalと投資パートナーシップを発表した。
提携により得られる約19億円(1,400万ドル)の資金を、米国テキサス州のデータセンタープロジェクト「Project Dorothy 1B」の開発に活用していく計画だ。
このプロジェクトはビットコイン(BTC)マイニングに焦点を当てた合弁事業として行われる。Navitasは、投資家および株式パートナーとして参加。合弁事業「Project Dorothy 1B」の株式49%を取得し、同事業インフラ構築に資金を提供する。
Navitasが提供する資金の内訳は、25メガワット規模の施設を建築するための約3億円(200万ドル)のローンと、約16億円(1,200万ドル)の株式投資だ。
Solunaの方は、施設の運用や保守管理を担当し、合弁事業の株式51%を保有し続けるとしている。
Solunaは、今回の投資パートナーシップおよびテキサス州の他のマイニング施設のホスティング契約などにより、2023年下半期にキャッシュフローがプラスに達する軌道に乗ったと述べた。
再生可能エネルギーでデータセンター運営
Soluna HoldingsのJohn Belizaire CEOは、次のようにコメントしている。
Navitasのチームは、ビットコインマイニングや信頼できるパートナー企業の価値に加えて、再生可能エネルギーの発電所に接続されているインフラストラクチャの長期的な価値も理解している。
Solunaは、ナスダック上場のデータセンター企業。再生可能エネルギーをコンピューティングリソースに変換するデータセンターを開発している。
ビットコインマイニングの他、AI(人工知能)や機械学習などのコンピューティング集約型のアプリケーション向けに、拡張可能なデータセンターを提供しているところだ。
同社は、再生可能エネルギーの電力の最大30%が余剰として無駄になることがあると指摘。Solunaのデータセンターは、こうした電力を購入して活用し、電力企業を支えると述べている。
また、電力供給が需要を上回った場合にはマイニング施設の稼働率を上げ、太陽が当たらない場合や風が吹かない場合など、電力がひっ迫する状況では、稼働率を下げるなど運転を切り替えられる柔軟なデータセンターの構築を進めている。
こうしたことにより、再生可能エネルギーへの移行を後押しするとも説明する形だ。
Marathonの事例
余剰エネルギーを活用する仮想通貨マイニングとしては、米マイニング企業Marathonの例もある。
Marathonは9日、デジタル資産インフラ企業Zero Twoと提携して、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビで大型ビットコインマイニング施設を立ち上げると発表。余剰エネルギーを活用して、送電網のベースロードと持続可能性を向上させるとしている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します