DCG、機関投資家向け取引サービスを閉鎖へ
子会社「TradeBlock」を閉鎖へ
大手暗号資産(仮想通貨)コングロマリット企業Digital Currency Group(デジタルカレンシーグループ:DCG)は、機関投資家向け取引サービス子会社「TradeBlock」を5月31日に閉鎖する。ブルームバーグなどが26日に報じた。
DCGの広報担当者は、以下のように説明している。
一般的な経済の状態と、長引く仮想通貨市場の不況、それに加えて、米国における仮想通貨に対する厳しい規制環境を背景として、当社は機関取引プラットフォームの事業を閉鎖することを決定した。
一部の関係者によると、DCGはここ数か月、同プラットフォームを数百万ドルで売却しようとしていたとされる。広報担当者は、事業売却についてはコメントしなかった。
DCGとは
大手仮想通貨コングロマリット企業。6つの子会社を持ち、200以上のブロックチェーン関連スタートアップと50以上の仮想通貨ファンド、プロジェクトに投資している。主な子会社には、投資会社グレースケール、ビットコインマイニング企業Foundry、ジェネシス・グローバル・キャピタル、仮想通貨メディアCoinDeskなどがある。。
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背景
DCGは大手仮想通貨取引所FTXが破綻したことも一因として苦境に陥っているところだ。FTX破綻の影響で、昨年DCG子会社の仮想通貨ブローカー「ジェネシス」が出金停止した。
これに伴って、ジェネシスのローン機能を利用していた、仮想通貨取引所ジェミナイの利回りサービスもユーザー資金の償還停止を余儀なくされた。ジェミナイは、ユーザーから預かった資金125億円(9億ドル)の返済をDCGに求めている状況だ。
DCGは1月末に、今回と同様マクロ経済環境や長引く仮想通貨市場の低迷などを理由に挙げて、資産管理部門も閉鎖している。
ジェミナイは、債務返済について猶予検討
ジェミナイは今月19日、その前の週が期限となっていた約881億円(約6億3,000万ドル)をDCGが支払わなかったと発表。DCGのデフォルトを回避するために、この債務について返済の保留期間を設けるかどうか検討するとしている。
その際には、DCGが再編計画や債務の再構築に対して、真摯に協議に参加するかどうかが重要になってくると述べた。
もしDCGと合意に至らなかった場合は、DCG子会社ジェネシスとの間で、DCGの合意なしでも進められる再編計画の修正を提案する予定だとしている。
もし仮に、デジタルカレンシーグループがデフォルトに至ったとみなされれば、同社の資金調達はさらに困難となり、破産リスクが浮上することになる。仮にDCGが破綻した場合、関連企業グレースケールの投資信託「GBTC」などが資産売却され、市場に影響を及ぼす懸念もあることが指摘されているところだ。
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DCG子会社ジェネシスは、ジェミニ含め、Cumberland、Mirana、MoonAlpha Financeなど上位50の債権者に対して、約4,900億円(35億ドル)以上の負債を抱えている状態である。
ジェネシスの広報担当者は、現在ジェミニやジェネシス、ジェネシスの債権者など当事者が、ジェミニへの債務返済についての緩和・延長などの可能性、ジェネシスの破産手続き、債権者へ返済する価値最大化のための選択肢などについて話し合っていると述べた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します