米SECの提訴がバイナンスの韓国進出に影響 金融当局が認可を延期へ=報道

買収の判断を保留

韓国金融委員会(FSC)は、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスがGOPAXを買収するための認可を、さらに保留することがわかった。現地メディア「Newspim」が7日に報じた。

GOPAXは韓国の仮想通貨取引所。今年2月にバイナンスは同社の株式を取得し、韓国市場に再進出する計画であることを発表していた。FSCは、米証券取引委員会(SEC)によるバイナンス提訴の状況も見ながら、買収を認可するかどうかを判断していくという。

FSCは現時点では、バイナンスの買収を認可するのは困難であると考えている模様。Newspimは、買収が認可されない可能性もあると報じた。まだSECが提訴したばかりであり、FSCは状況を見ながら判断することになる。

なお、バイナンスの買収が進まなくなるのはこれが初めてではない。FSCは、米商品先物取引委員会(CFTC)が今年3月にバイナンスやチャンポン・ジャオ(CZ)CEOらを提訴した時にも、GOPAXの役員変更を保留にしていたという。

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バイナンスの株式取得の発表は、GOPAXが韓国5大仮想通貨取引所の一つであることからも高い関心を集めた。一方で、GOPAXの親会社Streamiにおける第2位の大株主は、米仮想通貨コングロマリット「デジタルカレンシーグループ(DCG)」であり、Streamiは、破産申請したDCG子会社ジェネシスの最大債権者の1つである。

こうした背景で、GOPAXは利回り商品の出金と利払いを一時停止。バイナンスの買収により、ユーザーによる出金と利払いを再開することができるようになると期待の声も上がっていた。なお、5大仮想通貨取引所といっても、韓国ではアップビット(Upbit)が市場シェアの大半を占めている。

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SECの起訴

SECは5日、バイナンス本体とバイナンスUS、CZ氏を提訴。未登録有価証券の提供や顧客資産の転用など、SECは合計13の容疑を主張している。バイナンスは裁判で争う姿勢を示した。

さらにSECは6日、バイナンスUSの資産を凍結することを裁判所に要求。同社が保有したり、同社でユーザーが取引したりしている法定通貨や仮想通貨を、米国に全て送金することも求めた。

関連米SEC、バイナンスUSの資産凍結を要求

バイナンスは昨年11月、日本市場への進出を発表。株式会社サクラエクスチェンジビットコインを買収することで、日本の規制に準拠して、国内の投資家にサービスを提供する準備を進めている。

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バイナンスとは

取扱銘柄や取引高、登録者数が非常に多い大手仮想通貨取引所を運営。他にもベンチャーキャピタル部門の活動や教育コンテンツの提供、慈善活動など幅広い事業を展開している。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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