三井物産、web3大手アニモカブランズと資本業務提携 を発表
三井物産がアニモカと提携
三井物産株式会社は19日、web3大手企業Animoca Brands(アニモカブランズ)との資本業務提携および戦略的パートナーシップに関する覚書締結を発表した。
三井物産は日本を代表する5大商社のひとつで、多種多様な商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など、各種事業を多角的に展開。時価総額は8兆6000億円に達する。
今年5月に発表した通期決算では、大幅な円安・ドル高と天然ガスや原油などの資源価格上昇が追い風となり過去最高益を更新。総合商社初となる最終利益(純利益)1兆円の大台を突破した。
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香港に事業拠点を置くアニモカブランズは、web3業界屈指のリーディングカンパニーだ。22年1月には、3億5900万ドル(約400億円)の資金調達を完了し、企業評価額50億ドル超(約5700億円)のユニコーン企業として成長を続けている。
web3のプロトコルやインフラなどの基盤技術のみならず、The Sandbox(ザ・サンドボックス)などブロックチェーンゲームを中心にweb3を活用したサービス提供企業、メタバース領域まで幅広く投資を行い、独自のエコシステムを構築する。
21年10月には、日本市場を見据えた戦略的子会社として「Animoca Brands 株式会社(Animoca Brands KK)」を設立した。
翌年の22年1月には、シードラウンドで約11億円の資金調達を完了し、1号ファンドには、週刊少年マガジンなどで知られる講談社をはじめ、西日本鉄道、三井住友信託銀行など、国内大手企業が参画して反響を呼んだ。
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今後の展望は
今回の提携について三井物産は、「消費者ビジネスから産業ビジネスまでの幅広い事業アセットに加え、パートナーや顧客ネットワークを活用し、主に日本国内におけるweb3の普及とイノベーションに寄与する新たなビジネス創出を目指す。」
「ウェルネス領域や脱炭素・カーボンクレジット領域におけるブロックチェーン技術の応用など様々な分野での共同事業の開発や合弁会社の設立など、幅広い領域での戦略的パートナーシップを加速し、社会課題の解決につなげる」と抱負を述べた。
さらに今回の提携を通じて、ブロックチェーン技術とデジタル資産の分野でのビジネス展開を強化し、デジタル社会の発展とお客様の豊かな暮らしを支えるための取り組みを進める。
グループ会社は暗号資産やデジタル証券発行も
三井物産の傘下の三井物産デジタルコモディティーズは、金(ゴールド)の価格に連動することを目指す暗号資産(仮想通貨)ジパングコイン(Zipangcoin/ZPG)を発行するなど、先進的な取り組みでも知られる。
ジパングコインは、国内大手の暗号資産交換業者bitFlyerなどに上場しており、昨今のゴールド価格上昇に伴いインフレヘッジ機能などの特性を備えることから市場関係者の高い関心を集めた。
今後は、金現物との交換機能を実装する予定であり、将来的には他のコモディティ(商品)に連動した暗号資産の商品化も想定しているという。
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また、グループ会社の三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社は今年5月、個人向け資産運用サービス「ALTERNA(オルタナ)」の提供開始を発表した。
ALTERNAは、三菱UFJフィナンシャルグループが手掛けるブロックチェーン基盤Progmat(プログマ)を用いて、預金・上場株式・投資信託の代替資産(オルナタティブ資産)として新しい選択肢を提示する「デジタル証券(ST:セキュリティ・トークン)」の一種である。
都心部の大型不動産や物流施設、発電所といったインフラなど、安定的な賃料等収入の期待できる「実物資産」に対し、10万円〜の小口投資で利回り目的の資産運用ができる個人向けの資産運用サービスとなる。
総合課税(雑所得)ではなく申告分離課税の対象になるなど、税制面でも優位性が見込める。
これまでは、価格変動が緩やかな安定インカム性商品として需要のあった大型不動産などのオルタナティブ資産への投資は、大口投資が可能な大手機関投資家のみにアクセスが限られてきた。
三井物産デジタル・アセットマネジメントによるブロックチェーン技術を使ったデジタル証券化によって、少額運用の個人投資家への裾野の広がりも期待される。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します