米コインベース、ウォレットでメッセージ機能を提供へ
XMTPと提携、メッセージング・サービス提供
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは、Web3メッセージ機能を提供するスタートアップ企業XMTPと提携して、「Coinbase Wallet(コインベースウォレット)」にメッセージング・サービスを導入すると発表した。
コインベースウォレットは、セルフカストディ型のウォレットだ。
今回のメッセージング・サービスでは、長い文字列からなるウォレットアドレスだけでなく、イーサリアム・ネーム・サービス(ENS)を活用したものも含めて、人間が読みやすいイーサリアム・アドレスを使えるようにしている。
コインベースは2022年より、ウォレットでイーサリアム・ネーム・サービス(ENS)と提携してきた。
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ユーザーは、ウォレットを使って他のユーザーと連絡を取り、様々な銘柄のトークンを送信したり、他のXMTP互換アプリで会話を行うことが可能だ。USDコイン(USDC)を、ネットワーク手数料無料で送信することもできる。
ウォレット上でのメッセージは、エンドツーエンドで暗号化され、プライバシーを守る仕組みだ。
友達を検索したり、自分のQRコードをシェアして友達をチャットに招待することもできる。
コインベースは、まずDeFi(分散型金融)プロジェクト「Aave」を構築したWeb3企業「Aave Companies」によるソーシャル機能レイヤー「Lens Protocol」の全ユーザーなど、一部のユーザーから、このメッセージング・サービスを提供していく。
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セルフカストディ型ウォレットとは
取引所などではなく、自分で秘密鍵を管理して資産を保有するために使用するウォレットのこと。「自己ホスト型」や「自己管理型」などと呼ばれることもある。
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「セキュリティも強化」
コインベースは、XMTPを採用することで、これまでのSNSよりもセキュリティ面で向上していると続けた。
例えば、間違ったアドレスに仮想通貨を送信してしまったり、誰かが所有していない .ethユーザー名の所有権を主張したり、偽のプロフィールを作成したりするなどの問題に対処できるものだとしている。
コインベースは、2017年にセルフカストディ・ウォレットを立ち上げ、その後このウォレットに多様な機能を追加してきた。1月には、トランザクションのプレビューや、潜在的に不正の可能性があるスマートコントラクトにフラグを立てる機能なども導入している。
なお、米国証券取引委員会(SEC)は6月、コインベースに対する訴訟の一環で、コインベース・ウォレットについても未登録の証券ブローカーだと主張していた。一方で、コインベース側は「通常通り」に業務を続けると述べている。
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