Web3スタートアップの資金調達が減少、件数も2020年の水準に低下 Web3スタートアップの資金調達が減少
Web3へのVC投資
暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンの領域で活動するスタートアップに対するベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達が減少傾向にあると、データ提供会社Crunchbaseが18日に報告した。
2023年第2四半期(4-6月)におけるWeb3(分散型ウェブ)スタートアップへの資金調達は18億ドル(2,500億円)に留まった。前年同期には75億ドル(1兆円)以上が投じられたことから比較すると、投資総額は約76%減少している。
今年上半期(1-6月)で見ても、厳しい傾向は続いている。昨年上半期には、Web3スタートアップが約160億ドルを調達していたのに対し、今年上半期はその額が36億ドルに落ち込み、減少率は約78%に達している。
取引件数(ディールフロー)も大幅に減少しており、今年の第2四半期は322件、これは前年同期比で51%の減少だ。また、今年上半期のディールフロー全体も740件に留まり、約11億ドルを調達した2020年第4四半期(10-12月:コロナ禍)以来の低水準を示している。
資金調達規模の縮小も目立つ。昨年の第2四半期には、1億ドル以上を調達したスタートアップは15件存在したのに対し、今四半期ではその数が3件にまで減っている。
この3件には、スイスを拠点とする、イスラム法に則った仮想通貨「Islamic Coin」がABO Digitalから2億ドルを調達したケース、またブロックチェーンの相互運用を可能にするプロトコル「LayerZero」の例が含まれる。LayerZeroはシリーズBの資金調達ラウンドで、a16z cryptoを含む33の投資家から合計1億2000万ドル(167億円)を調達し、その結果、企業の評価額は30億ドル(4,170億円)に上昇した。
さらに、OpenAIのSam Altman氏らが創設したWorldcoinは、Blockchain Capitalの主導によるシリーズCの資金調達ラウンドで1億1500万ドル(160億円)を調達した。このラウンドにはa16z cryptoも参加している。
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VCが再びWeb3スタートアップへの投資を再開するかどうかは、現時点でははっきりしない。「現時点でのデータは、否定的な傾向を示している」と、Crunchbaseのシニアレポーター、Chris Metinko氏はまとめた。
一方、今年は主にAI関連企業の調達が活発になっている。
ビットコインは好調
一方、仮想通貨市場全体は活発に動いている。ビットコイン(BTC)の価格は今年に入ってから80%以上も上昇し、ナスダックの31.7%増と比べても大きく上回っている。
米国証券取引委員会(SEC)は、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)方式の多くのアルトコインを「未登録有価証券」と位置づけたが、ビットコイン(BTC)については、過去に「証券」ではなく「商品」と定義している。
さらに、大手資産運用会社ブラックロックのビットコインETF(上場投資信託)申請や、シタデル・セキュリティーズ、フィデリティ・デジタル、セコイア・キャピタルなどの大手金融機関が出資する「EDX Markets」のローンチなど、規制環境が明確なビットコインにとっての好材料が増えてきている。
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