米マイクロストラテジー、2Q決算発表 ビットコイン購入継続

ビットコイン購入戦略を継続

米国のビジネスインテリジェンス企業「マイクロストラテジー」は1日、2023年第2四半期(4~6月)の業績を報告。暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の保有状況などについても発表した。

また、今後新株発行増資として7.5億ドル調達し、ビットコインのさらなる購入などに充てるとしている。

マイクロストラテジーのビットコイン保有量は、2023年7月31日時点で152,800枚に増加。記事執筆時の時価で約6,500億円相当となる。第2四半期中には12,333ビットコインを追加購入した形だ。2021年第2四半期以降では、単一の四半期に購入した最大量となる。

また、第3四半期に入ってからの状況として7月にも467ビットコインを約21億円(1,440万ドル)で取得した。

最高財務責任者のアンドリュー・カン氏は次のように説明している。

当社は、市場での株式販売などを通じて効率的に資本を調達した。また、営業活動から得た現金を使用して、バランスシート上のビットコインを増やし続けている。

機関投資家のビットコインへの関心の高まり、会計の透明性の進歩、ビットコインに対する規制の明確化が進められているといった、将来へ期待ができる状況の中で、ビットコイン購入を行った。

2023年6月30日現在で、マイクロストラテジーのビットコイン帳簿価額は23億2,300万ドル(約3,320億円)。この数字には累積減損損失21億9,600万ドル(約3,140億円)などが反映されている。

1ビットコインあたりの平均取得原価は約29,668ドル(約424万円)だった。ビットコインの6月末時点の市場価格は30,361ドル(約434万円)前後、現在は29,470ドル(約422万円)前後である。

なお減損損失について、米国の標準的な会計規則では、仮想通貨の価値が損なわれたり下がったりした場合にのみ、帳簿の数字を調整することになっている。つまり、価格が上昇した場合には、そのトークンを売却しない限り、値上がり分は報告されない。

マイクロストラテジーは企業向けにビジネスデータの分析プラットフォームを提供している。2023年第2四半期の総収益は1億2,040万ドル(約172億円)で、2022年第2四半期と比較して1.4%減少した。

ビットコイン購入を戦略的に継続

ビットコイン価格が年初来で2倍近く上昇する中、マイクロストラテジーの株価も年初来で3倍以上になっている。

ビットコイン購入戦略を取るマイクロストラテジーの株式(MSTR)を取得することが、一部でビットコインへの間接的なエクスポージャーを得るための手段とみなされている傾向もあり、モルガン・スタンレーやフィデリティ、バンガードやブラックロックなど金融大手も、マイクロストラテジーへの機関投資家リストで上位10に入っている状況だ。

マイクロストラテジーは、2020年8月より、高いリターンとインフレ対策としての可能性に着目し財務資産としてビットコインを購入する戦略を取っている。過去3年間で25回以上の購入を行ってきた。

2022年以降ビットコイン市場が弱気相場に転換した後もこの戦略は崩していない。

関連米上場企業マイクロストラテジーがビットコインを大量に買い続ける理由とは?

ビットコイン・リワードのプラットフォーム

また、マイクロストラテジーは事業としてもビットコインに取り組む姿勢だ。ビットコインのL2技術「ライトニングネットワーク(LN)」関連のプロダクト開発も発表している。

ライトニングネットワークを活用して、企業が顧客、従業員、イベント参加者などに報酬を送信することができるプラットフォームとなる。このサービスの正式な提供開始日はまだ明かされていない。

ライトニングネットワーク(Lightning Network)とは

ビットコインのトランザクション処理能力を向上させるために開発されたレイヤー2のオフチェーン技術である。取引の高速化や手数料削減につながり、少額決済が可能になることから、新たな商品やサービスの創出が期待されている。ビットコインのスケーラビリティ問題を解決することを目指した、高速で低コストな支払いネットワークである。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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