米コインベース、2Q決算報告 収益は予想上回る
2023年2Q業績報告
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは4日、2023年第2四半期(4月から6月:2Q)の決算を発表した。また、新製品や対SEC訴訟についても説明を行っている。
第2四半期には、約1,011億円(7億790万ドル)の収益を記録し、アナリストらの事前予想である約898億円(6億2,900万ドル)を上回った形だ。なお、前年同期は約1,154億円(8億830万ドル)だった。
具体的な内容としては、ステーブルコインUSDCの利息(金利)収入が約216億円(1億5,100万ドル)で、第1四半期の約284億円(1億9,900万ドル)から減少。コインベースは、USDC時価総額の28%減少を背景に挙げている。
取引手数料による収益は約467億円(3億2,700万ドル)で、FTX破綻が起こる前の時期であった、前年同期の取引手数料収入約935億円(6億5,500万ドル) を大幅に下回っている。これは、取引高が、前年同期の約31兆円(2,170億ドル)から約13兆円(920億ドル)に減少したことに伴うものだ。
コインベースは、一年前より経費削減を開始し、2Qには経常営業費用を前年比50%近く減らすことに成功したと報告した。経費削減策としては、人員を前年比で30%以上減らしたことも含まれる。
なお、先日決算発表を行った大手投資アプリのロビンフッドも、手数料収入の減少を報告。仮想通貨市場停滞によりアクティブユーザー数が低下していることが要因に挙げられていたところだ。
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L2ネットワークBase立ち上げ
コインベースは、2Qで行った新たな動きについても説明した。第2四半期には、米国外の顧客へのデリバティブ商品へのアクセスの拡大など、仮想通貨の普及に向けてさらに前進したとしている。
また、今後についてはイーサリアム(ETH)の独自L2ネットワークBaseを立ち上げることについても言及した。コインベースは、9日に、全てのユーザー向けにBaseのメインネットをローンチすると発表している。
Baseは、OP Mainnet(旧Optimism)の技術を使って開発されており、低コストで安全・容易にdApps(分散型アプリ)を使用できるようにすることが目標の一つだ。
コインベースは、Baseメインネットのローンチを記念するため、数週間に渡って「Onchain Summer」というイベントも開催する。
このイベントには、コカ・コーラ社や大手NFT(非代替性トークン)マーケットOpenSea、ゲーム大手Atariなど、50超の企業、アーティスト、クリエイターらが参加予定だ。ユーザーは、Base上で構築されるアートや音楽、ゲームなどを楽しむことができる。
関連:コインベースのL2「Base」、9日にメインネットをパブリックローンチへ
L2とは
「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待することができる。
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訴訟について
コインベースは、対米証券取引委員会(SEC)の訴訟についても言及。規制の明確化を求めていくとも述べている。
SECが、未登録証券を提供していたなどとしてコインベースを提訴した件については、次のように説明した。
何年にもわたり、SECに対して誠実に対応し当社事業の透明性を保ってきたにもかかわらず、6月にSECはコインベースに対して不当な提訴を行い、米国の10州が当社のステーキングサービスに関する訴訟を開始した。このことには失望している。
当社は、すべての連邦・州レベルの証券法を遵守するためにこれまで行ってきた取り組みには自信を持っている。今回の訴訟を、仮想通貨業界全体についての規制を明確化する機会として利用していきたい。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します