取引収益やアクティブユーザー数が減少
米大手投資アプリのロビンフッドは2日、2023年第2四半期(4~6月)の決算報告を発表。暗号資産(仮想通貨)取引による収益は前四半期比で18%減少し、約44億円(3,100万ドル)となった。1Qに続き2期連続で減少した形だ。
また、2Qの仮想通貨取引収益は、取引収益総額約277億円(1億9,300万ドル)の16%に相当し、この比率は前四半期から7%減少している。
さらに、ロビンフッドアプリの月間アクティブユーザー数は、前年同期の1,400万人から1,080万人に減少した。ロビンフッドの共同創設者兼CEOのヴラド・テネフ氏は、この数字について、次のようにコメントしている。
同社は、小売トレーダーの市場シェアを拡大できている。一方で、仮想通貨市場の熱気は縮小を続けており、それが月間ユーザー数の減少に反映されている可能性がある。
仮想通貨の小売市場全体が停滞しているとの見方を示した形だ。テネフ氏は、「適用される規制に注意を払いながら、今後も仮想通貨事業への投資を続けていくことが楽しみだ」とも続けた。
ロビンフッドの事業全体では、今年2Qの総純収益は前四半期比で10%増加して約696億円(4億8,600万ドル)に到達。上場以来初の黒字化を達成した。
利息収入を生み出す資産から収益が増えており、純利息収益は前年同期比3倍以上の約335億円(2億3,400万ドル)となった。一方で、株式や仮想通貨など取引ベースの収益は前年比4%減の約277億円(1億9,300万ドル)となっている。
SECの動きを背景に一部トークン上場廃止
テネフ氏は規制の動向に言及していたが、関連した動きとしてロビンフッドは6月、ソラナ(SOL)・ポリゴン(MATIC)・エイダ(ADA)を上場廃止していた。
この背景には米証券取引委員会(SEC)がバイナンスとコインベースを提訴した際に、同銘柄を未登録の有価証券だとみなしていたことがある。
ロビンフッドは2月にも、SECから仮想通貨事業についての調査書を受け取ったと報告していた。
なお、SEC対リップル社の裁判で、地裁は仮想通貨XRPそのものは証券には該当しないと判断した。バイナンスとコインベースとの訴訟で、今後、裁判所がトークンの証券性についてどのような考えを示すのか注目されるところだ。
SECはソラナ(SOL)、エイダ(ADA)、ポリゴン(MATIC)、ザ・サンドボックス(SAND)、チリーズ(CHZ)、コスモス(ATOM)、ニア(NEAR)、ダッシュ(DASH)、アルゴランド(ALGO)、バイナンスコイン(BNB)、インターネットコンピューター(ICP)、COTI、AXS、MANA、FIL、FLOW、VGX、NEXO、BUSDについて証券性を指摘していた。
仮想通貨取引機能を更新
ロビンフッドは7月、仮想通貨関連の機能をアップグレードしている。
ユーザーは、簡単に市場のトレンドを追跡したり、トレードを計画したり、プライスアラートを設定することができるようになった。
Now you can build trading strategies and manage your crypto with our new suite of features, all in one place. Track market trends, plan advanced trades, set price alerts and more.
— Robinhood (@RobinhoodApp) July 10, 2023
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