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HSBCとスタンダードチャータード、初のトークン化預金取引を実施

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 初の銀行間トークン化預金取引が実現
  • 決済前に債務をネット処理

銀行間トークン化取引

英銀HSBCと英スタンダードチャータードは19日、SWIFTが運用するブロックチェーン基盤の台帳上で、トークン化預金による初の銀行間クロスボーダー取引を実施したと発表した。

SWIFTは世界の銀行間で国際送金の指示をやり取りする通信網を運営する国際組織であり、今回はブロックチェーン基盤の台帳を新たに整備し、銀行が発行するトークン化預金の記録・決済に活用している。

今回の取引は、HSBCとスタンダードチャータードがSWIFTの台帳を通じて決済メッセージを交換する形で行われた。両行の債務はそれぞれHSBCの「トークン化預金サービス(TDS)」とスタンダードチャータードのトークン化預金基盤上でトークン化預金債務として記録され、SWIFTの台帳が安全な調整レイヤーとして機能し、既存システムによる最終決済に先立って両者の債務の照合とネッティングを行った。

今回の取引はSWIFTが7月に発表した、ブロックチェーン基盤の台帳が初期利用可能な状態になったという発表を土台としている。この発表時点で6大陸17行がトークン化預金を用いた24時間対応の決済とより効率的な流動性運用の検証に向けたパイロット取引の準備を進めているとしており、今回の発表はSWIFTの台帳上で行われた初の銀行間取引になるという。

発表では、今回の取引がクロスボーダー決済において24時間体制でグローバル経済を支える可能性を示した。

HSBCのデジタル通貨責任者、ルイス・サン氏は、スタンダードチャータードとのSWIFT経由の相互運用性の実現がトークン化預金の可能性を示す重要な事例になったと述べた。また、銀行が発行するデジタルマネーが既存の金融システムの健全性と規制上の監督を保ったまま、複数の金融機関間で相互運用できることを示していると説明した。

関連記事:米大手銀ウェルズ・ファーゴ、法人向けトークン化預金導入へ

米大手銀ウェルズ・ファーゴは法人・商業顧客向けにトークン化預金を導入すると発表した。今秋に米ドルと英ポンドの限定的な取引から開始し、2027年にかけて対象国・通貨を拡大する方針だ。

スタンダードチャータードのコメント

スタンダードチャータードの新興決済・トランザクションサービス・デジタル資産責任者、マーク・ウィリス氏は、トークン化預金が同行のデジタル資産戦略の主要な柱であり、顧客が国境を越えてトークン化された流動性や価値を取引・決済・管理できる包括的な仕組みの構築を目指していると述べた。

同氏は、今回のHSBCとの取引がより滞りなく常時稼働する金融サービスへの重要な一歩であり、流動性移動や運用資本の最適化を求める機関投資家の需要が高まる中、相互運用可能なトークン化預金は財務管理やリアルタイムの流動性管理を支える役割を強めていくとの見方を示した。

今回の取引は、規制対象の銀行マネーとしての役割を維持しながら、分散型台帳技術を実際の決済ユースケースに大規模に対応させていく業界全体の取り組みの一環だ。

USDC発行・償還機能も

スタンダードチャータードは2日には別に、機関投資家向け顧客がサークル発行の米ドルステーブルコイン「USDC」の発行と償還にアクセスできる新機能をローンチしたと発表した。同行によると、顧客はサークルに個別の口座を開設せずに、単一の登録とサービス体験でUSDCの発行・償還を行えるようになるという。

同行は、金融安定理事会(FSB)がグローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)に認定した銀行の中で、こうしたサービスを提供するのは自社が初めてだとしている。この機能は、サークルが5月に発行したARCトークンによる資金調達にスタンダードチャータードのベンチャー部門が出資したパートナーシップの一環として提供されるものだ。

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