米コインベース、SEC訴訟で全面的な取り下げを要請

米SECに対抗措置

米コインベースは、米国証券取引委員会(SEC)による訴訟に対して、「全面的な」取り下げを裁判所に要請する計画を立てている。

同社のポール・グレワル最高法務責任者が3日に行われた決算発表後の電話会見で明らかにした。10月末までにこの要請が裁判所に「完全に提出され、審理される」ことを期待しているという。

グレワル氏は、SECとの訴訟について「我々は確信を持って勝訴できると考えている」と断言し、SECや立法者たちと連携し、規制についての「明確性」を得ることを目指すとの立場を強調した。

背景には、SECがコインベースが未登録の取引所、ブローカー、清算機関を運営し、証券取引法に違反していると主張していることがある。SECは今年の6月に、同社が少なくとも13種類の暗号資産を規制当局に登録することなく取引していると主張し、訴訟を提起した。

一方で、同社のブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)は、ツイッター上で規制について議論に参加。「問題は連邦規制機関間の政治的意向や闘争であり、米国国内のどの利害関係者にとっても利益をもたらさない」と主張した。さらに決算説明会では、「一部の政府関係者が法の範囲を超えて行動することにより、米国のリーダーシップが危ぶまれる事態は許せない」と述べた。

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取引高は半減

コインベースのアレシア・ハース財務責任者は「第2四半期には、当社の取引ビジネスにとって重要な指標である暗号資産(仮想通貨)のボラティリティ(価格変動の激しさ)が続落し、数年来の最低水準に落ち込んだ」と説明した。

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同四半期の取引高は前年同期の2,170億ドル(31兆円)から920億ドルに減少した。取引手数料は、前期に比べて13%減、前年同期に比べて50%減の3億2,700万ドル(467億円)となり、昨年末以来最低の水準となった。

一方、損失は前年同期の10億9,000万ドル(1550億円)から9,700万ドルに縮小。この1年間で社員の30%を解雇し、昨年に比べて50%もの経費削減を達成したとハース氏は述べた。

純損益は9,700万ドル(138億円)の赤字で第1四半期より僅かに悪化したが、予想を上回る結果となった。総収益(売上高)は前四半期比8%減の7億800万ドル(1000億円)、純収益(費用を差し引いた後の収益)は前四半期比10%減の300万ドル(4.27億円)であった。

3日にコインベースの株価は1.2%下落。今年に入ってからは、ブラックロックが申請を進めるビットコインETFへの期待や、ビットコインをはじめとする仮想通貨の価格上昇の追い風を受け、株価は156%上昇している。コインベースは、ブラックロックを始めとする複数のビットコインETFの申請者と監視共有協定パートナーシップを組んでいる。

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