米コインベース、仮想通貨政策の推進団体を設立
「Stand with Crypto Alliance」立ち上げ
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは14日、立法プロセスに関与することに重点を置いた、仮想通貨の擁護団体「Stand with Crypto Alliance(クリプト支持同盟)」を立ち上げた。
明確な規制の構築を後押しすることで、アメリカにおける仮想通貨の将来性を確かなものにしていくことを目的としており、仮想通貨コミュニティに参加を呼びかけている。
コインベースは以前よりこの同盟の参加者を募っており、記事執筆時点までにすでに5万9,000人以上が登録済みだ。
コインベースは設立の趣旨について、次のように説明した。
Stand With Crypto Allianceはブロックチェーンの土台となる技術を活用し、とりわけ金融システムを最新のものにして、人々の経済力をサポートするような政策を推進していく強力なコミュニティを組織するのに役立つ。
米国初の、仮想通貨支持者による仮想通貨支持者のための、独立したオンチェーン擁護団体である。
コインベースは、米国では議員らが明確な仮想通貨ルールを策定しようとしているものの、あまりにも時間がかかっていると続けた。
そのことにより、選挙で選ばれたわけではない規制当局が不適切な方針で仮想通貨を管理する状況になっており、米国のイノベーションや雇用、消費者保護を損なっているとも意見している。
また、現在議会では超党派で仮想通貨関連の法案が進められていることも気運の一つとして挙げた。「Stand with Crypto Alliance」も、こうした法案の成立を後押ししていく構えだ。
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同盟のホームページでは、米国の各議員らの、仮想通貨に対するスタンスもまとめてある。各議員が提出した仮想通貨法案と、その状況についても知ることが可能だ。
例えば、エリザベス・ウォーレン上院議員とブラッド・シャーマン下院議員は仮想通貨に「強く反対」しており、ジョシュ・ゴットハイマー下院議員、リッチー・トーレス下院議員、デビッド・シュワイカート下院議員は「非常に協力的」であると記されている。それぞれの仮想通貨関連の発言も閲覧できる。
コインベースとは
米国の大手仮想通貨取引所で創業は2012年。世界最大手の民泊サービスのエンジニアを経験した人物と、大手証券会社の為替ディーラーを経験した人物が共同で事業を立ち上げ、短期間で仮想通貨業界のトップベンチャーとなった。
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オフショアデリバティブ取引所が好調
コインベースは5月、バミューダで米国以外の機関投資家にサービスを提供するために、デリバティブ取引所Coinbase International Exchangeを立ち上げた。
米国における規制の不確実性も、コインベースがこのように国際展開を加速していることの背景の一つとみられる。
無期限先物契約の取引を提供するこのプラットフォームでは、8月14日以来毎日の取引高は平均で約145億円(1億ドル)を超えている。18日には約417億円(2億8,700万ドル)に達したところだ。
すでに50の金融機関が登録しており、取引開始から最初の7週間で取引高は約8,000億円(55億ドル)だった。コインベースは、2023年下半期にスポット取引などの新機能や追加商品を投入することを目指しているとも述べた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します