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米銀行協会「消費者の多数がステーブルコイン利回り禁止支持」、意識調査を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 国民の9割が未保有で慎重論が優勢
  • 利回り提供は地域経済を弱体化と主張

市場構造法案めぐり、けん制の意味も

米銀行協会(ABA)は10日、消費者がステーブルコインのリスクから金融システムを守ることを支持しているとの調査結果を発表した。ステーブルコイン利回り禁止に賛同する意見が多かったと報告している。

この世論調査は、ABAの委託を受けたモーニング・コンサルトが、今年2月21日から25日にかけて実施。全米の成人4,456名を対象にオンラインで行ったものだ。データは年齢、人種、性別、学歴、地域によって、目標とする成人サンプルに近似するように調整されている。

具体的には、「ステーブルコインに利息を提供することで、銀行が地域に融資し、その経済を支える資金が減少するリスクがある場合、それを禁止すべきだ」という声明に対して、賛成が42%、反対が15%、分からないが43%の内訳だった。

「分からない」と回答しているのが43%と最多を占めていることには注意が必要だが、賛否を明確にした者の4人中3人が禁止を支持したことになる。

「分からない」との答えが多かった理由としては、まだステーブルコインが一般に浸透していないことが背景の可能性がある。90%が現在ステーブルコインを保有しておらず、今後12か月以内にステーブルコインを購入、使用する可能性が高いとした者はわずか17%だった。

ただし、今回の調査設計には留意が必要だ。 ABAの質問文は「銀行が地域融資に回す資金が減少するリスクがある場合」という前提条件を含んでおり、回答者にネガティブな印象を与えるよう誘導されている可能性がある。いわゆる「誘導尋問」的な設問構造であり、中立的な調査とは言い難いとも指摘されている。

ABAは、米国の銀行業界の声を代表する組織だ。小規模銀行、地方銀行、大規模銀行から構成され、全体で合計200万人以上の従業員、20兆1,000億ドルの預金を抱えている。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

特に最近、ABAは暗号資産(仮想通貨)市場構造を定める「クラリティ法案」に関して、ステーブルコイン利回りに反対してきた。仮想通貨取引所などが、ステーブルコインを預けるユーザーに利回りを付与することで、従来型銀行の預金が流出してしまうことを懸念している。

調査結果発表にともない、ABAのロブ・ニコルズ会長兼CEOは、改めて次のようにけん制した。

議会がステーブルコインのようなデジタル資産に関する初の規則を検討しているところだが、国民は慎重な姿勢を強く求めている。議員と政権は地域銀行を弱体化させ、金融システムを崩壊させる可能性のある措置を避けるべきだとする意見が多数派だ。

今回の調査では、「米国で仮想通貨やステーブルコインなどに関する規則を制定するにあたり、議会と政権は慎重に行動し、既存の金融システム、特に地域のコミュニティバンクを損なうような措置を講じるべきではない」という声明については、賛成が62%、反対が10%、分からないが29%だった。

一方で、ドナルド・トランプ大統領は4日に「クラリティ法案」をめぐり、既得権益を守ることによりイノベーションを阻害しているとして銀行業界に批判を向けた。「米国人は、自身の資金でより多くの利回りを得られるべきだ」とも述べた。

関連:トランプ大統領、銀行界の「仮想通貨改革」妨害を批判 クラリティー法案の早期成立を要求

現在、特にステーブルコイン利回りが争点となってクラリティ法案の進捗が遅れている。10日には、米上院銀行委員会のアンジェラ・オルサブロックス議員(民主党)が妥協案を策定していることを明かした。

ステーブルコインの単なる保有に対する報酬を制限し、取引頻度に応じたインセンティブなどに限定する方向で検討していると話す。

関連:米仮想通貨市場構造法案に妥協案、ステーブルコイン利回り制限へ

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