個人マイナーがビットコインのブロック生成に成功、採掘報酬6.25BTCを手に入れる
単独マイナーがブロック生成
2023年8月19日、ビットコインの個人マイナー(採掘者)がブロック生成に成功し、6.25BTC(2400万円相当)の採掘報酬を獲得した。
単独マイナーとしてブロック生成を達成したのはビットコインの歴史上では277人目とされるが、ビットコイン(BTC)価格の高騰に伴い採掘難易度も急上昇しており、最新鋭の設備構築に多額の資金を投じるマイニング企業の採掘能力が上昇の一途を辿る中、個人レベルのソロマイナーがブロック生成に至るケースは近年だと稀有な事例だ。
このマイナーは、単独マイナー向けのマイニングサービスSolo.ckpoolを利用していた。マイニングの成功には、複雑な演算(ハッシュ関数)を先着で解き、適切なハッシュ値を計算する必要がある。
Solo.ckpoolの管理者Con Kolivas氏は、次のように述べている。
1ペタハッシュのハッシュレート(計算能力)を持つマイナー「bc1q2za4ejga366sn288273pty8trasn5zs4y9hqg6」さん、おめでとう!
この規模のマイナーによる成功確率は、現在の採掘難易度水準で考えると「7年に1回」あるかないかと言うレベルの幸運だ。
Kolivas氏は、今回のマイナーはビットメイン社が2019年5月に販売した「Antminer S17」モデルのマイニングマシンを10台使用していたのではないかと推測している。
ブロックの単独生成は、2023年6月初めにも発生していた。別の単独マイナーが、さらに旧型の「Antminer S9」を使って達成した。ビットコインのブロック 793,607を生成し、6.175BTCを獲得していた。
法人と計算能力に大差
今回のマイナーの計算能力は推定1ペタハッシュだった。ペタハッシュ/秒とは秒間1000兆回の計算を行う能力のことだが、マイニングを行う企業は一般的にこれより数桁上のエクサハッシュ/毎秒で採掘を行っている。これは、1秒間に100京回の計算を行う能力に相当する。
例えば米ナスダック上場のマイニング企業Riot Platformsは、今年の第2四半期(4~6月)に10.7エクサハッシュを実現したところだ。
また、同じくナスダック上場のMarathon Digital Holdingsは17.7エクサハッシュの計算能力を達成している。
このように大手の採掘業者が大規模マイニングを行う中、個人マイナーがブロック生成に成功したことは快挙と言える。
単独でブロック生成した場合、マイナーは得られたビットコイン報酬のおよそ98%を手元に保持することができるとされる。単独マイニングではこのように高い報酬を得ることも可能だが、ブロック生成を実現するまで長い時間がかかることが大半で、集団で計算能力を結集するマイニングプールに参加して採掘することの方が一般的である。
ハッシュレート上昇中
ビットコインのマイニングハッシュレートは、過去1週間で上昇しているところだ。 blockchain.comによると、ビットコインのハッシュレートは18日に過去最高の 414EH/sに到達。現在は400EH/s前後を推移している。
仮想通貨サービス企業Bitrawrは、こうしたハッシュレート上昇により、次回マイニングの難易度調整は前回比7%上昇すると予測している。
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