蓄積され続ける仮想通貨ビットコイン、3年以上無移動の割合が過去最高に=Bitfinexレポート
BTC価格の底支えになる動き
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の流通量に関するBitfinexのレポートによると、長期保有者が資産を蓄積し続けており、3年以上動かされていないBTC量が総供給量全体(2100万BTC)の40%を占めていることが明らかになった。この水準は過去最高記録となる。
一方で、短期的な保有者の動きはより流動的で、その動向がBTC価格の下落に影響を与える傾向にあるという。
28日付のレポート「Bitfinex Alpha」は、「Coin Days Destroyed(CDD)」という指標に基づいている。この数値は、特定期間内で取引されたビットコイン数と、それらのBTCが最後に動かされてからの経過日数を掛け合わせて算出される。CDDが低い場合、それは長期保有者が基本的に資産を売却していないと解釈される。
特に顕著だったのは、8月17日にビットコイン価格が12%急落した際、約10億ドル以上のポジションが清算されたにも関わらず、CDDはほとんど変わらなかった点だ。これは、長期保有者が基本的には手放さなかったことを示唆する。
8月中旬には、特定のビットコインアドレスが5月から3か月で急増し、約11万8,300 BTC(約4.46兆円)に達して話題となった。このアドレスが米資産運用最大手ブラックロックや取引所ジェミナイのものでないかとの憶測が飛び交ったが、現時点ではこのアドレスは米国の株・仮想通貨取引所ロビンフッドに属していると推測される。
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短期的な下落につながる動き
一方、Bitfinexは1年間移動のないビットコインの動向が、価格下落の前兆となる場合があるとも指摘。
8月17日にビットコインが12%急落し、25,000ドルに近づいた日に、1年間動かされていなかったビットコインの供給量が約1345万BTCから1332万BTCに減少したという。この供給量とビットコイン価格には約0.730の相関係数があるとして、市場動向を読み取る上で有効性が示されている。
弱気相場の間に現物ポジションを取得した「新しい」長期保有者層も注目される。彼らはビットコインの価格が4月の3万ドルから25,000ドル以下に落ち込んでも、パニック売りせずに保有を続けた。
結論としてBitfinexは、BTC投資家の最近の売却行動は、利益を得るための一過性のものであり、弱気への心理変化ではないと主張している。
30日には、米国の資産運用会社グレースケールがSECとの訴訟で、GBTCのビットコインETF(上場投資信託)への変換に関して有利な判決を受けた。この判決により、現物ビットコインETF実現への機運が再び高まり、ビットコイン価格も一時的に28,000ドル(約400万円)に回復している。
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