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2026年の仮想通貨トレンド、a16z予測

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインとトークン化が金融を変える

米大手ベンチャーキャピタル企業アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)が2025年12月に、2026年に暗号資産(仮想通貨)分野で期待できる主要トレンド予想を発表した。同社の「大きな構想」(Big Ideas)リストは17項目にわたり、ステーブルコイン、実物資産(RWA)のトークン化、決済・金融、AIエージェント、プライバシー、予測市場が含まれている。

a16zはまず、ステーブルコインが主流の決済手段として利用される可能性が高まるとみている。昨年のステーブルコイン取引量は46兆ドルと推定されるが、この量はPayPalの20倍以上、決済大手Visaの約3倍に相当し、米国の銀行間電子決済ネットワーク(ACH)の取引量に近づきつつある。

ステーブルコインによる送金自体は1秒未満、手数料1セント未満で可能だが、既存の金融システムとの接続手段(オン/オフランプ)がネックとなっている。しかし、2026年には、ローカル決済システムとの直接接続、QRコード決済、カード発行プラットフォーム、グローバルウォレットレイヤーなどのソリューションを組み合わせることで、デジタルドルと既存のシステムの連携が進むと見込まれている。

例えば、国境を超えたリアルタイム給与支払いや、銀行口座なしでのグローバルドル受け取り、世界中どこでもアプリによる即時決済が可能になる。a16zの仮想通貨エンジニア、ジェレミー・ザング氏は、「ステーブルコインは、ニッチな金融ツールから脱却し、インターネットの基礎決済レイヤーへと進化する」と予測している。

a16zの仮想通貨ゼネラルパートナーのガイ・ウオレット氏は、2026年にステーブルコインの発行と、オンチェーンネイティブ(ブロックチェーン上で初めから発行)の実物資産(RWA)のトークン化がさらに進むと予想している。融資の場合、トークン化のプロセス全てをオンチェーンで行うことで、バックオフィスの管理コストが大幅に削減され、アクセスも向上すると指摘した。

また、サム・ブローナー氏は、ステーブルコインが新たなフィンテック製品の中核技術になると予想している。イノベーションの阻害要因となっている老朽化した大規模な銀行のソフトウェアシステムだが、ステーブルコインやトークン化資産(預金、国債、債券)を使うことで、銀行は既存のシステムを維持したまま、新たな金融商品やサービスを展開することが可能になると説明した。

a16z仮想通貨市場開拓チームのマギー・スー氏は、これまで富裕層向けだったパーソナライズされた資産運用が、トークン化と仮想通貨インフラ、さらにAIの進化によって、誰でも利用できるようになりつつあると指摘。トークン化によって、プライベートクレジット、未上場株式、プライベートエクイティなど、従来個人投資家がアクセスしづらかった非流動性資産も利用しやすくなりつつある。

2026年には、「資産保全」だけでなく「資産形成」を目的としたプラットフォームが登場すると同氏は予測している。

AIエージェントの課題

ステーブルコインUSDCの設計者で、Circle社共同創設者のショーン・ネヴィル氏は、AIエージェント経済の課題は、知性から身元認証に移りつつあると指摘した。現在金融サービスにおいて、「非人間」(AIやボット)が人間の従業員を96対1で上回るが、アイデンティティの確認は見過ごされている。同氏は、人間の身元確認同様、エージェントの身元確認「KYA (Know Your Agent)」が重要だと主張。エージェントが取引を行うにあたり、元の主体(プリンシパル)や制約条件、責任に結びつけるための認証情報が必要になると述べた。

また投資チームのリズ・ハーカヴィ氏は、現在、AIエージェントは広告収入で運営されるサイト(コンテキスト層)からデータを取得し、ユーザーに利便性を提供する一方で、コンテンツを支える広告やサブスクリプションなどの収益源を体系的に回避する問題があると指摘。これは「見えない税」のようなもので、オープンウェブの経済基盤を揺るがしていると批判した。

同氏は、現在のAIライセンス契約は十分ではなく、根本的にはリアルタイムで使用量に応じた新たな報酬体系が必要であるとして、ブロックチェーンを活用した少額決済や高度な貢献基準などを用いて、自動的に価値を分配するモデルを提唱した。

関連:仮想通貨AIエージェント「Virtuals Protocol」とは?DEXでのトークン購入方法を解説

プライバシーとセキュリティ

a16z仮想通貨担当ゼネラルパートナーのアリ・ヤーヤ氏は、プライバシーは、世界の金融がブロックチェーン上に移行するために最も重要な機能だが、ほとんどすべての既存のブロックチェーンがこの機能を欠いているのも事実だと指摘した。そのため、プライバシーは他のチェーンとの差別化を図る強力な要素となると述べた。

一旦、ユーザーがプライバシー対応のプライベートチェーンに参加すると、他のチェーンへの移行にはプライバシー漏洩のリスクがあるため、少数のプライバシーチェーンが市場を席巻する可能性も高まるとみている。

Mysten Labsの共同創設者であるアデニイ・アビオドゥン氏は、「サービスとしての秘密」の必要性を訴えている。この新しいテクノロジーは、ユーザーのデータを「秘密」として扱うプログラム可能なデータアクセスルールで、クライアントサイドで暗号化し、誰が何を、どのような条件下で、どのくらいの期間復号できるかを、オンチェーンで強制する分散型鍵管理を提供する。

検証可能なデータシステムと組み合わせることで、機密情報はアプリケーションレベルで後付けされるのではなく、インターネットの基本的な公共インフラの一部として機能できるようになるという。つまり、プライバシーが基盤インフラとなる。

関連:仮想通貨「最後の1000倍成長チャンス」はプライバシー分野、ゼロ知識証明技術が実用化された今が転換点

技術に見合う法的枠組み

a16z仮想通貨政策チーム兼法務顧問のマイルズ・ジェニングス氏は、これまで米国では法的不確実性のためブロックチェーン開発は制約を受け、透明性や経済モデルを犠牲にした奇妙な対応(透明性の欠如、見せかけのガバナンス、経済的価値を回避し、ビジネスモデルを持たないトークン設計など)が生じてきたと指摘した。

しかし、現在、米国議会で審議中のデジタル資産市場明確化法案(クラリティ法案)が、可決されれば、このような歪みは解消され、資金調達やトークン発行、分散化のためのより明確で体系的な道筋が示されることになると、同氏は考えている。

また、ジーニアス法の成立以降、ステーブルコインの普及が急速に進んだように、仮想通貨の市場構造に関する法整備は、ネットワークにさらに大きな変化をもたらすと、同氏は主張。「この規制により、ブロックチェーンネットワークは、オープンで自律的、相互運用可能で信頼性が高く、中立的かつ分散化されたネットワークとして機能できるようになる」と期待を滲ませた。

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