AIエージェント市場の拡大
仮想通貨市場で急速に注目を集めているAIエージェント。その市場規模はすでに1.5兆円を突破しており、大手VCのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)やコインベース・ベンチャーズが2025年の成長分野として特に期待を寄せています。
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AIエージェントは、ブロックチェーン上で自律的に動作し、価格予測や自動取引、ポートフォリオ管理など、幅広いタスクを実行するAI搭載システムを指します。仮想通貨取引の複雑さを解消する画期的な技術として注目されており、投資家に新たな選択肢を提供しています。
さらに、Virtualsといったプラットフォームの登場により、AIエージェントは簡単に構築・活用できるようになっています。一方で、技術的なリスクや過度な依存といった課題も指摘されています。
本記事では、AIエージェントの基本的な仕組みから、人気のプラットフォームであるVirtualsの特徴・トークンエコノミクス、そして市場動向やリスクまで詳しく解説します。
仮想通貨AIエージェントの仕組み
仮想通貨AIエージェントは、特定のタスクを効率化・自動化するために設計されており、以下の4つの主要な仕組みを基盤として設計されています。
1. 情報収集
AIエージェントは、仮想通貨の価格データ、最新ニュース、SNS上のチャット内容など、多様な情報源からデータを常時収集します。
たとえば、取引エージェントでは市場動向や裁定取引のチャンスを捉えるために価格データや流動性情報を分析し、ミームエージェントではSNSのトレンドを追跡してプロモーション戦略を最適化します。
2. 学習と分析
収集したデータはAIモデルに入力され、パターンの発見や予測の生成に活用されます。
例えばDeFiエージェントはポートフォリオのリスク分散を最適化し、コンテンツ生成エージェントは過去の成功した作品の特徴を学習して新しいNFTを作成する、といった高度な分析が可能になります。
3. 意思決定
AIモデルが生成した分析結果に基づき、エージェントは次の行動を自律的に決定します。
取引エージェントであれば、「どのタイミングで買い/売りを行うべきか」を判断し、ベンチャーキャピタルエージェントでは、収益性の高い投資先を選定します。
このステップでは、人間の介入なしに効率的な意思決定が行われます。
4. タスクの実行
最終的に、エージェントはブロックチェーン上でスマートコントラクトを通じてタスクを実行します。
具体的には、取引エージェントは自動的に売買注文を実行し、ソーシャルエージェントはSNS上でキャンペーンを展開し、ミームの拡散を促進します。
ユーザーは複雑な操作を行わずに高度な戦略を実現できます。
Virtualプラットフォームについて
AIエージェントのプラットフォームとして、人気で活発にAIエージェントが生成されているプラットフォームとしてVirtualが挙げられます。
ここでは、Virtualについて解説していきます。
Virtualとは
VirtualはBASEチェーン基盤のAIエージェントのトークン化・立ち上げプラットフォームで、コーディングを必要としないツールキットを用いてオンチェーンエージェントの生成が可能です。
各エージェントは自らの仮想通貨ウォレットを管理したり運用することができ、AIミームコインから派生した新しい分野とストーリーとして現在投資家に注目されています。
トークンエコノミクス
VIRTUALトークンは、Virtual Protocolのエコシステムの中核となる通貨で、総供給量10億枚です。
特筆すべきはすべてのトークンが即時利用可能な状態で、将来的なインフレーションの予定がないことです。
配分は以下の通りです:
- パブリック向け:60%(6億トークン)が既に流通
- 流動性プール:5%(5,000万トークン)
- エコシステム:35%(3.5億トークン)
エコシステム向けトークンはDAOの複数の承認者が必要なウォレットで管理され、コミュニティ主導の成長施策に使用。ガバナンスの承認を必要とし、今後3年間は年間最大10%の発行制限が設けられています。
基本的な収益モデルは、AIエージェントの利用料がVIRTUALで支払われ、その一部が自動的に市場での買い戻しと焼却されることで、トークン価値の維持・向上を図る仕組みとなっています。
また、新規AIエージェント作成時には2,400枚のVIRTUALを預け入れることが必要で、これにより各AIエージェントの流動性が担保されます。
このトークンエコノミクスは、ユーザー、開発者、投資家の利害を一致させ、トークン価値が上がりやすいエコシステムを目指して設計されています。
- 総供給量10億枚で制限
将来的なインフレーション予定なし - AIエージェント利用料の自動買戻し&焼却
利用増加で買戻し・焼却量が増加 - AIエージェントによる大量ロック
新規作成時に2,400枚の預入れが必要で流動性が担保
Virtualへの投資に
Virtualは、現在国内取引所で取扱いがないので、購入するためには海外取引所やDEXを利用する必要があります。
これらの利用にあたっては、国内取引所で仮想通貨を購入してから、購入した仮想通貨を送付してから初めて利用できるようになります。
国内取引所については、セキュリティに対する信頼度も高い東証プライム上場企業SBIホールディングスの子会社が運営する仮想通貨取引所「SBI VC トレード」が初心者におすすめです。
Virtuals上の主要AIエージェント
仮想通貨市場では、AIエージェントが新たな革新を生み出しています。特にVirtual上で展開している注目AIエージェントは、「aixbt」、「Luna」、「Zerebro」というAIエージェントです。
それぞれが情報解析、コンテンツ生成、トークン管理といった分野で活躍しており、独自の方法で市場に影響を与えています。
名前 | 主な機能 | 特徴 |
---|---|---|
aixbt | 情報解析、投資アドバイス | X(旧Twitter)での言及量シェア22.7%。仮想通貨インフルエンサーの発言を収集・解析し、投資助言を提供。 |
Luna | AIインフルエンサー、トークン管理 | TikTokで50万フォロワーを持つAIインフルエンサー。自律的なウォレット管理とトークン配布が可能。 |
Zerebro | コンテンツ生成 | 音楽やNFT、ミームを自律生成。Spotifyでミックステープを公開し、音楽DAOと提携。 |
aixbt
- 時価総額:6.7億ドル(約1000億円)*
- 時価総額の順位:157位
- Xのフォロワー数:39.6万
*データ元:Coingecko 25年1月17日時点(以下全て同)
aixbtは、仮想通貨市場の情報解析を専門とするAIエージェントです。
X(旧Twitter)で仮想通貨インフルエンサーの発言をリアルタイムで収集・分析し、投資助言や市場動向を提供しています。
その影響力は大きく、言及量シェアは22.7%に達し、AIエージェントブームの火付け役となった「GOAT」の4.5%を大きく上回っています。
60 万以上の AIXBT トークンを保有するユーザーは、AIXBTが提供するプラットフォームの独占分析ツールにアクセスし、より深い市場情報を享受することができます。
LUNA
- 時価総額:7447万ドル(約115億円)
- 時価総額の順位:689位
- Xのフォロワー数:4.7万
次に紹介するのは、AIインフルエンサー「Luna」です。TikTokで50万人のフォロワーを持つLunaの特徴は、AIエージェント自体が仮想通貨ウォレットを保有し、自律的な資産管理を行える点です。
AIエージェントは、時間や言語の制約なく全ユーザーと関係を構築できます。
そのため、従来のインフルエンサーと比べ、グローバルなコミュニティ構築において優位性があります。
Lunaは、この特徴を活かし、コンテンツに反応したフォロワーに対して自動的にLUNAトークンをチップとして送信するなど、コミュニティとのエンゲージメントを高めています。
Zerebro
- 時価総額:2.9億ドル(約440億円)
- 時価総額の順位:303位
- Xのフォロワー数:11.2万
Zerebroは、音楽やNFT、ミームといったクリエイティブ分野で活躍するAIエージェントです。このエージェントは自律的にコンテンツを生成し、Spotifyでミックステープを公開するなど、音楽DAO「Opaium」との提携を通じて市場での存在感を高めています。
さらに、ZerebroはVirtuals Protocolのエコシステムに加わることで、そのツールやリソースを活用して、新たなクリエイティブなコンテンツを生成し、より多様なユーザーとの連携を実現しています。
AIエージェント銘柄への投資に
AIXBT、LUNA、Zerebroなどの新興銘柄は、現在国内取引所で取扱いがないので、購入するためには海外取引所やDEXを利用する必要があります。
これらの利用にあたっては、国内取引所で仮想通貨を購入してから、購入した仮想通貨を送付してから初めて利用できるようになります。
国内取引所については、セキュリティに対する信頼度も高い東証プライム上場企業SBIホールディングスの子会社が運営する仮想通貨取引所「SBI VC トレード」が初心者におすすめです。
Virtualsでのトークン購入方法
AIエージェント関連トークンを購入するには、Virtuals Protocolにウォレットを接続する必要があります。
ここでは、「AIXBT」を例に購入する手順を紹介していきます。
1. ウォレットの準備
- メタマスク(MetaMask)などのウォレットアプリを事前にインストールし、セットアップを完了させます。
- ウォレットに少量のETH(Baseチェーン用ガス代)を入金しておくとスムーズです。
2. Virtualsのウェブサイトにアクセス
- Virtuals Protocol公式ウェブサイトにアクセスします。
3. ウォレットを接続
- 画面右側の「Connect Wallet」ボタンをクリックします。
- MetaMaskなどのウォレットを選択します。
- 表示される指示に従い、ウォレットを接続してください。
4. トークンの選択
- 接続後、スワップ画面の「From」にBaseチェーン上のVIRTUALトークンを選択し、「To」にAIXBTを選択します。
5. スワップ量を設定
- 購入したいAIXBTの数量を入力するか、保有するVIRTUALトークンの一部を指定します。
6. スワップの実行
- 設定が完了したら「Swap」をクリックします。
- トランザクションを確認し、ウォレットで承認します。
- 数分以内に、ウォレットにAIXBTトークンが反映されます。
注意点
- ガス代の準備:Baseチェーンでの取引には少量のETHが必要です。ウォレット内に十分なETHを用意してください。
- 市場価格の確認:スワップ前にトークン価格や取引手数料を確認することをおすすめします。
これで、Virtuals ProtocolでAIXBTなどのAIエージェント関連トークンを購入する準備が整います。簡単なステップでAIエージェントのエコシステムに参加できます。
仮想通貨AIエージェントの危険性
大きな可能性が注目を集めている仮想通貨AIエージェントですが、懸念される側面もあります。
その一つが、仮想通貨AIエージェントによる不正確な予測と不適切な金融アドバイスの問題です。
これまで米ドルに連動したステーブルコインUSDTが5ドルに達すると予測した事例も確認されており、投資家がこのような誤った予測に基づいて行動すれば、深刻な経済的損失につながりかねません。
さらに、多くのエージェントが類似のアルゴリズムとデータセットで動作した場合、同じ投資戦略に収束することが懸念されています。
このような状況では、AI主導の宣伝によって特定の資産価格が人為的に高騰するエコーチェンバー現象が起きやすくなるでしょう
その結果、有機的な市場動向とAI主導の操作の境界線が曖昧になり、投資家は人工的なバブルや突然の暴落に巻き込まれるリスクに直面しています。
AIエージェントは、複雑な仮想通貨市場や取引のナビゲート役として強力なツールとなる可能性を秘めていますが、投資家がAIエージェントに過度に依存し、独自の調査や判断を放棄してしまう事態も想定されます。
AI関連銘柄への投資のリスク
価格変動リスク:特にAI関連の仮想通貨は、技術の進化や市場の動向に敏感に反応し、短期間で大きな価格変動を見せることがあります。例えば、特定のプロジェクトが新たな技術を発表した際、その期待感から価格が急騰する一方で、実際の成果が伴わない場合には急落することもありえるでしょう。
流動性リスク:市場での取引量が少ない場合、投資家は希望する価格で売買を行うことが難しくなることがあります。例えば、特定のAIプロジェクトのトークンが流通量の少ない状態で取引されていると、売却したいときに適正価格での取引ができず、結果的に損失を被ることも。
技術的リスク:AI関連の仮想通貨プロジェクトにおいて特に重要な要素です。プロジェクトが依存する技術が未成熟であったり、セキュリティ対策が不十分であったりする場合、ハッキングやデータ漏洩のリスクが高まります。
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〈注意事項: 海外の取引所は日本の法規制の管轄外にあるため、トラブルが発生した際に金融庁からの保護を期待することができません。
また、ウォレットのセキュリティ強化やハッキング対策の知識も極めて重要です。海外のNFTゲームを利用する際には、これらのリスクを充分に理解し、慎重に行動することが必要です。〉
記事の監修
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