はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

a16zの2025年トレンド予想 AIエージェントから国債のオンチェーン化まで、仮想通貨の主流化が進む

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2025年に期待される「大きな構想」とは

米大手ベンチャーキャピタル企業アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は4日、2025年の暗号資産(仮想通貨)分野で期待できる展開について予想を発表した。同社の「大きな構想」リストは、AIエージェントの自律的活動から、各国による国債のオンチェーン化まで多岐にわたるが、a16zは1年を通して仮想通貨市場が活発化し、主流での採用が進むというトレンドが基盤にあると見ている。

まず、AI関連では、AIボット「Truth Terminal」が独自のウォレットを付与されたことで、同ボットが関与したミームコイン「GOAT」が暴騰した例に見られるように、 AIエージェントとして活動する可能性に注目している。

同社パートナーのCara Wu氏は、AIエージェントの独自ウォレットの保有により、「クリエイティブコンテンツの新たな機会」が生まれると指摘。AIエージェントのネットワークが独自のウォレット、署名鍵、仮想通貨の保管を始めると、DePIN(分散型物理インフラネットワーク)内のノード運営や検証など、新たなユースケースが出現すると予測している。

関連:AIボットが仕掛けたミームコインGOAT、1週間で時価総額600億円突破

関連米資産運用会社モルガン・クリークCEO、来年注目の「アルトコイン5選」に言及

分散型自律AIチャットボットの台頭

a16zは、信頼できる実行環境(TEE)を活用した分散型自律AIチャットボットの可能性も示唆した。これらのAIチャットボットは、ソーシャルメディアコンテンツの運営や関連資産の管理を行う。またパーミッションレスのノードで実行され、コンセンサスプロトコルで調整されることから、完全に自律的な10億ドル規模の存在になる可能性もあるとa16zは予測した。

同社CTOのEddy Lazarin氏は、AIの普及に伴い、オンライン上のなりすまし、ディープフェイク、詐欺などを防止するために、個々人の「人間性の証明」も必要になると指摘した。

「人間性の証明」はデジタルIDを確立するための重要な構成要素であり、プライバシーを保護する「ユニークさ」という特性が、信頼できるWebを構築するための、次の「大きな構想」となると同氏は主張した。

ステーブルコインの採用

a16zクリプトの投資パートナー、Sam Boner氏は、2025年には企業によるステーブルコインの採用が進むと見ている。

特に、カフェやレストラン、コンビニなど、ブランド力を持ち、固定客を抱えた決済コストに敏感な中小企業が、クレジットカードからステーブルコイン決済に切り替えることになるだろうと同氏は指摘。これらの企業は、対面によるビジネスを展開しているため、クレジットカード詐欺防止の恩恵よりも、取引手数料の影響が大きいからだ。

また、より規模の大きい企業も、仲介者を省いてコスト削減に繋げるため、ステーブルコインを採用すると予測。詐欺防止や身元確認など問題については新たな解決策を模索するだろうと付け加えた。

国債のオンチェーン化

ステーブルコイン発行者は米国短期国債を主な担保として追加しているが、a16zクリプトの政策責任者であるBrian Quintenz氏は、政府自体が国債をブロックチェーン上で発行する可能性を示唆した。

同氏は、国債をオンチェーン化することで中央銀行デジタル通貨(CBDC)による監視の懸念なしに、政府が支援する利子付きのデジタル資産が誕生すると指摘する。例えばイギリスでは、金融行為規制機構(FCA)が、サンドボックスを通じてデジタル証券を検討していると説明した。

民間では、すでに国債トークン化の取り組みが進んでいる。トークン化資産の分析プラットフォームrwa.xyzによると、米大手資産運用会社ブラックロックの米国債トークン化ファンド「BUIDL」を含むトークン化された国債市場は、2023年初めから今年7月までの1年半で、1億ドル(160億円)から18億ドル(2,898億円)と急成長を遂げた。

関連ONDOの買い方 米国債ファンドを担保に発行するステーブルコインUSDYの将来性

仮想通貨インフラの進化

a16zは2025年、インフラの面でも仮想通貨ユーザーにとって使いやすい環境が充実すると予測している。

  • 既存インフラの再利用による開発効率の向上:製品・サービスの差別化に集中
  • ユーザー目線のインフラ設計と開発:プログラム可能なブロックスペースや成熟した開発者ツール、チェーンの抽象化で可能に
  • 「直感的」で分かりやすいユーザーインターフェイスに焦点:複雑な技術的要素は舞台裏へ、「シンプルなデザインと明確なコミュニケーション」
  • 仮想通貨に特化したアプリストアやマーケットプレイスの拡大:World Appマーケットプレイス(Worldcoin)、ソラナのスマホユーザー向けのアプリストアなど

現在、仮想通貨保有者のうち積極的な利用者は5%~10%に過ぎないが、インフラ改善とユーザー体験の向上、また手数料の低下により、この状況が変化する可能性がある。a16zは「すでに仮想通貨を保有している6億1,700万人」を惹きつけ、新たな利用へと導くことで、仮想通貨市場はさらなる発展が期待できると予測している。

関連:世界の仮想通貨アクティブユーザー数、過去最高の3000~6000万人に=a16z crypto

関連:ビットコインは今後どうなる?2025年の価格予測と3つの注目材料

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/08 水曜日
17:12
ビットフライヤー、「スカイ(SKY)」の取扱い開始
bitFlyerは、メイカーダオ(MakerDAO)の後継トークン「スカイ(SKY)」の取扱いを開始。取扱記念キャンペーンも実施し、販売所での購入が可能となった。
16:15
IG証券、ビットコインETF・イーサリアムETFのCFD取引を提供開始
IG証券がビットコインETF・イーサリアムETFのCFD取引を開始。制度化が進む日本市場で、税区分や課税扱いを巡る動向にも注目が集まる。
14:00
「ビットコインは金に比べ著しく過小評価」ライトスパークCEO語る
ライトスパークCEOのデービッド・マーカス氏が、ビットコインは金と比較して著しく過小評価されており、金と同等の価値なら1BTC=130万ドルに達すると主張した。金価格が史上最高値の4000ドルを突破する中、JPモルガンもビットコインが過小評価されていると指摘し、16.5万ドルの価格予測を発表している。
13:25
トランプミームコイン発行企業、2億ドル調達でトレジャリー企業設立へ=報道
TRUMPミームコイン発行企業が最低2億ドルの資金調達を計画中とブルームバーグが報道。低迷するトークン蓄積のためデジタル資産トレジャリー企業設立を目指す。
13:10
米金融大手BNYメロン、トークン化預金を検討=報道
BNYメロンがトークン化預金の導入検討をブルームバーグが報道。1日2.5兆ドルの決済を処理する同行がブロックチェーン活用でインフラ近代化を推進。
11:45
「仮想通貨への投資は今でも遅すぎない」パンテラ幹部が見解
パンテラキャピタルのゼネラルパートナーがビットコイン、イーサリアム、ソラナなど仮想通貨投資の将来性を語った。ファンドマネージャーの多くが投資しておらず拡大余地ありとする。
11:15
クリーンコア、ドージコイン保有量7.1億DOGE到達 含み益30億円超に
米NYSE上場のクリーンコアソリューションズが公式ドージコイン・トレジャリーの保有量7.1億DOGE突破を発表。10億枚目標に向けビットスタンプ提携で取得継続中。
10:35
米SEC、仮想通貨企業向け「イノベーション免除」制度を年内にも正式化へ
SECのアトキンス委員長が8日、仮想通貨企業向けの「イノベーション免除」制度を年内か2026年第1四半期に正式化する意向を示した。政府閉鎖が規則制定の進展を妨げている。
10:10
トレジャリー企業とETFのイーサリアム保有量、供給の10%以上に到達
企業とETFによる仮想通貨イーサリアムの保有額が供給の10%を突破した。ビットマインやシャープリンクが大量蓄積を続ける一方、過熱へ注意を呼びかける論者も。最新動向を解説する。
08:10
ビットコイン史上最高値圏で急落、デリバティブ市場は強気継続を示唆|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは7〜8日にかけて、史上最高値付近まで上昇したのち急落するという激しい値動きを見せた。最高値圏では流動性が極めて薄く、ボラティリティが急拡大しやすい局面にある。
07:35
シャープリンク、イーサリアム戦略で含み益9億ドル超
ナスダック上場のシャープリンクが7日、イーサリアム・トレジャリー戦略開始以来の未実現利益が9億ドルを超えたと発表した。ライバルのビットマインは総保有額134億ドルに達している。
06:55
予測大手ポリマーケット、Bakktの親会社ICEから3000億円の戦略的出資を獲得
大手予測市場ポリマーケットはニューヨーク証券取引所の親会社ICEから20億ドルの戦略的投資を獲得したと発表した。同日ビットコイン入金機能も開始した。
06:30
ビットコイン、休眠クジラの6000億円BTC移動などで急落も大口の歴史的買い圧力は継続
3年以上休眠していた仮想通貨ウォレットから32,322BTCが移動しビットコインへ売圧をかけている。一方で他のクジラウォレットが過去1週間で6万BTC以上を取得し強い買い圧力も確認された。
06:00
バイナンスのBNB、過去最高値更新し時価総額3位に浮上 高騰の背景は
バイナンスのBNBトークンが7日に過去最高値1330ドルを更新し、時価総額でテザーを抜いて仮想通貨3位となった。上場企業CEAインダストリーズが48万BNB保有を発表した。
05:46
米S&P、仮想通貨と関連株を組み合わせた新指数を立ち上げ
S&Pグローバルが7日、仮想通貨35銘柄と関連企業15社を組み合わせたS&Pデジタル・マーケッツ50指数の立ち上げを発表した。トークン化企業ディナリが指数設計で協力する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧