イーサリアム新テストネット「Holesky」、設定不良で起動延期

「Holesky」の立ち上げ延期へ

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の開発者らは16日、新たなテストネット「Holesky」が設定ミスにより適切に開始できなかったと述べた。このため、1週間後に再度立ち上げなおすことで合意したと報告している。

開発チームの一人、parithosh氏は次のように説明した。

el genesisファイルの構成(コンフィグレーション)に誤りがあり、それがHoleskyネットワークを適切に起動できない原因となった。一部のバリデーターは構成を手動で修正し、チェーンを開始できたものの、ネットワークを完了するには不十分だった。

チームは、1週間後にネットワークを再起動させることで合意。その後、新しいgenesisファイルによりネットワークを再起動し、まだ確定していないが16日から2週間以内には、Holeskyのネットワークを立ち上げられる可能性が高いとしている。

parithosh氏は、こうしたことが再び起こらないように検証手順などを追加すると続けた。

新テストネット「Holesky」とは

Holeskyは、旧テストネットGoerliに代わる新たなテストネットで、開発者がより自由に開発ができるよう16億テストネット用ETHトークンが組み込まれている。

テストネットトークンの不足、バリデーター数の少なさなど、Goerliのスケーラビリティ問題に対処するために立ち上げられる新テストネットだ。Holeskyには、イーサリアムメインネットのほぼ2倍に相当する、146万のバリデーターが存在する。

Holeskyは、今後、もう一つのテストネットであるSepoliaとともに、開発に活用されていく。特にステーキング、インフラストラクチャ、プロトコル開発のテストネットとして使われる見込みだ。

テストネットは、開発者が新しい機能の挙動を検証できる試験環境のことである。独立して存在しているので、もしトラブルがあっても本番環境であるメインネットに影響を与えることがない。

次期大型アップグレード「Dencun」

Holeskyは、イーサリアムの次の大型アップグレード「Dencun」を立ち上げる上でも重要な役目を果たすと考えられている。このDencunでは、L2(レイヤー2)プロジェクトにおけるトランザクション手数料を大幅に低下させる「プロト・ダンクシャーディング(Proto-Danksharding)」が実装される。

関連イーサリアムの次期アップグレード「Dencun」、重要性とメリットとは?

Dencunでは、バリデーターの成長に伴う潜在的なセキュリティリスクを軽減するためのEIP(イーサリアム改善案)-7514も導入される見込みだ。

機関投資家を中心にステーキングへの参加が増加しているが、資本力のあるバリデーター数が短期間で過度に増えると、ネットワークの中心化や通信の負荷が懸念されている。こうしたことを念頭にして、EIP-7514はバリデーター急増を抑制するものだ。

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バリデーターとは

バリデータとは、ブロックチェーンに記録されるデータの妥当性を検証するノードのこと。イーサリアムにおいてバリデーターの最小ステーキング量は32ETH。取引履歴を検証する役割などを持ち、その役割を果たすと仮想通貨で報酬が与えられる。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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