グーグルクラウド、BigQueryにアバランチなど11のブロックチェーンを追加
新たに11のブロックチェーンデータを提供
Google Cloud(グーグルクラウド)は22日、BigQuery(ビッグクエリ)公開データセットにアバランチ(AVAX)など11の暗号資産(仮想通貨)ブロックチェーンを追加したと発表した。
グーグルのビッグクエリはエンタープライズ向けのデータウェアハウス(大量の業務データを保存するシステム)である。2018年にビットコイン(BTC)ブロックチェーンのデータを組み込んで以来、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ドージコイン(DOGE)など10のネットワークを掲載していた。
今回新たに追加となったのは、次のブロックチェーンである。
- アバランチ(AVAX)
- アービトラム(ARB)
- クロノス(CRO)
- イーサリアムのテストネット(Goerli)
- ファントム(FTM)
- ニアプロトコル(NEAR)
- オプティミズム(OP)
- ポルカドット(DOT)
- ポリゴンのメインネット(MATIC)
- ポリゴンのテストネット(Mumbai)
- トロン(TRN)
ビッグクエリは、ブロックチェーンの履歴データを探索する上での利便性を高めるものだ。グーグルクラウドは、プログラムを拡張して、より多くのブロックチェーンを組み込むことで、「マルチチェーンのメタ分析や従来の財務記録処理システムとの統合」も可能になったとしている。
背景にはデータへの需要
グーグルクラウドのWeb3責任者James Tromans氏らは、ブロックチェーンデータの追加背景について、次のように説明している。
ブロックチェーンデータを充実させているのは、ブロックチェーンプロジェクトや、Web3分析企業、開発者、その他顧客などから、仮想通貨のランドスケープ全体をより包括的に把握し、より多くのチェーンを検索できるようにしたいとの要望が寄せられているためだ。
例えば、「特定の3つのブロックチェーンで今日いくつのNFT(非代替性トークン)が鋳造されたか」「チェーン間の取引手数料はどのように比較すべきか」「主要なEVMチェーンにはアクティブなウォレットがいくつあるか」など複雑な質問についての回答を得られることを望む声が上がっている。
グーグルクラウドのビッグクエリを使えば、Web3コミュニティは、ノードの操作などに時間をかけることなく、こうした質問に対する適切な答えを得ることができるようになるとする格好だ。
オフチェーンで、完全なオンチェーン取引履歴を検索して、あるウォレットから別のウォレットへの資産の流れや、人気トークン、ユーザーのアクションなどを把握することも可能だと続けている。
Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
▶️仮想通貨用語集
グーグルクラウドは、積極的にWeb3領域での事業を広げているところだ。4月には、Web3スタートアップ向けの支援プログラムを拡充すると発表した。また、ノードホスティングサービス「Blockchain Node Engine」を運営している。
4月には、Polygon Labsと、戦略的提携で複数年の契約を締結した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します