米議員ら、SECゲンスラー委員長に現物ビットコインETFの承認を要請

現物ビットコインETFの承認を求める

米国の超党派議員グループは26日、米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長に宛てて書簡を提出した。現物ビットコイン(BTC)上場取引型商品(ETF)の上場をただちに承認するよう要請している。

書簡には、共和党のマイク・フラッド議員、トム・エマー議員、民主党のリッチー・トーレス議員、ワイリー・ニッケル議員の4人が名前を連ねている。

グレースケール対SEC訴訟の判決を引用

議員らは上場を求める根拠として、グレースケールとSECの訴訟で裁判所がくだした判決を上げた。経緯として米国の控訴裁判所は、ビットコイン投資信託GBTCのETFへの転換却下をめぐる裁判でグレースケールの申し立てを支持していた。

グレースケールは、SECがビットコイン先物ETFをすでに承認していながら、ビットコイン現物ETFは却下し続けていることについて「恣意的であり投資家に損害を与えている」と主張していた。裁判所も、「SECは類似した商品に異なる対応をしている理由を説明できていない」とグレースケールの主張を認めている。

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今回、議員らはこの判決は「根本的な点を強調している」と述べ、 「現物ビットコインETFは先物ビットコインETFと区別がつかない。したがって、SECの現在の姿勢は支持できないものとなっている」と続けた。

こうした判決の後では、ビットコイン上場取引商品に対して、現在のような一貫性がなく差別的な判断を続ける理由はないとも述べている。議員らは、次のように書いて書簡を結んでいる。

規制された現物ビットコインETFはビットコインへのアクセスをより安全・透明にすることで投資家保護を強化するだろう。私たち議会のメンバーは、議会が定めた要件を満たす投資商品を、SECが確実に承認するようにする義務がある。

そのため、私たちは現物ビットコインETFをただちに承認するよう要請するものだ。

SECの広報担当者は、ゲンスラー委員長はこの件について議員らに直接回答すると述べた。

大企業の申請相次ぐ

SECは、まだ現物ビットコインETFを一つも承認していないものの、ここ数か月で、米資産運用最大手のブラックロックや、フィデリティ、Valkyrie、Invesco、WisdomTreeなどの大手企業が続々と現物ビットコインETFの申請を行っているところだ。

ブラックロックのラリー・フィンクCEOは7月、ビットコインはインフレや通貨切り下げなどのリスクに対して、金(ゴールド)のようにヘッジ資産の選択肢と考えられる「国際的な資産」だとの意見を述べている。

フィンク氏はブラックロックは「仮想通貨をより民主化し、投資家にとってより安価にすること」を目指しているとの姿勢も示した。

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