香港警察、バイナンスを騙るフィッシング詐欺を警告 6650万円相当の被害
ユーザー11人が被害
香港警察は9日、バイナンスを騙るフィッシング詐欺が発生したとして、フェイスブック上の 「CyberDefender」プログラムを通じて警告を発した。
警察の発表によると、この2週間でフィッシング詐欺にあった香港在住のバイナンスユーザーは11人で、合計約6,650万円(350万香港ドル)以上の被害が報告された。
詐欺の手口は、バイナンス公式を装ってユーザーにテキストメッセージを送り、メッセージ内のリンクをクリックさせるもの。メッセージは「期限までに、メッセージ内のリンクをクリックして本人確認をしなければ、アカウントが停止される」とユーザーの不安を煽るものだった。
しかし、ユーザーがリンクをクリックし個人情報を「確認」すると、ハッカーがユーザーのアカウントにアクセス可能となり、ウォレット内の全資産を引き出すことに成功したという。
警察は、不審なメッセージを受け取った場合、公式サイトで「フィッシング対策ツール」や「フィッシング対策アプリ」を利用して確認するとともに、疑わしい場合は個人情報を入力しないよう求めている。さらに、証券先物委員会(SFC)の「暗号資産取引プラットフォーム一覧」ページへのリンクを表示し、投資家に確認を促した。
SFCは香港の暗号資産(仮想通貨)規制当局で、一覧には取引ライセンスを認可されたプラットフォームとして、OSL Digital Securitis とHash Blockchainの2社のみが記載されている。
また、同ページでは、ライセンス申請中のプラットフォーム、ライセンス申請が返送、却下、または撤回された申請者、閉鎖されたプラットフォーム、そしてみなしライセンスを取得したプラットフォーム(2024年6月1日に取得予定)についても、確認することもできる。
無認可取引所「JPEX」による巨額詐欺
香港警察は9月19日、仮想通貨取引所JPEXに関連した詐欺共謀の容疑で8人を逮捕したと発表した。前日の時点で、1,641件の苦情が受け付けられ、被害総額は約224億円(11億9,000万香港ドル)にのぼると見られていた。
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現地メディア東方日報の9月26日の報道によると、その後、JPEX関連の被害はさらに広がり、2,360件の被害が報告され、被害総額は「香港史上最大の詐欺被害額」とも言われる約283億円(14億9,000万香港ドル)に上った。また、追加逮捕者が出て、21日時点で計11人が逮捕されたという。
JPEXは、香港当局からのライセンス認可を受けていない取引所で、2022年7月から、SFCの警告リストに掲載されていた。しかしそのウェブサイトには、「デジタル資産と仮想通貨取引にライセンスを取得し、認められたプラットフォーム」であると記載。VATPを運営するために海外の規制当局からライセンスを取得していると主張していた。
この巨額の詐欺事件の発生で監督不足を批判されたSFCは、 上記のように「暗号資産取引プラットフォーム一覧」の充実を図り、各取引所のライセンス取得状況を詳らかにしている。
CyberDefender
香港警察のサイバーセキュリティ・テクノロジー犯罪局は5月、Web3における犯罪防止促進のため、新たな教育啓発プラットフォーム「CyberDefender」(サイバーディフェンダー)を立ち上げた。
このプロジェクトは、市民のデジタル・リテラシーを向上させ、情報セキュリティ・リスク、オンライン詐欺、好ましくない情報への認識を高め、サイバー上の落とし穴を回避し、電子空間で賢い市民になることを目的としている。バイナンスを装ったフィッシング詐欺への警告は、CyberDefenderのフェイスブックページで行われた。 CyberDefenderのソーシャルメディア上の啓発活動は、フェイスブックの他、インスタグラムとYouTubeで展開されている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します