VanEckアドバイザー「エルサルバドルは次代のシンガポールとなる潜在力」
エルサルバドルは「新たな自由の土地」
米資産管理大手VanEck社の戦略アドバイザーを務めるGabor Gurbacs氏は29日、エルサルバドルは南北アメリカ大陸において、アジア屈指の金融ハブとされるシンガポールのような潜在力を秘めていると述べた。
移民の流入、資本投資や一般的な経済成長がエルサルバドルで続くことを予想しており、金融経済の中心地になる可能性があると示唆した格好だ。
Gurbacs氏は、X(旧称ツイッター)上で、米国のテレビパーソナリティでエルサルバドルに移住しているMax Keiser氏の投稿を引用してこの意見を披露している。
Keiser氏は引用元投稿で、エルサルバドルは「新たなる自由の土地」だと発言。米ドルとビットコイン(BTC)が法定通貨とされていることを魅力として挙げた。
また、違法に流通するフェンタニル(薬物)や銃撃事件などがないこと、犯罪発生率が低いこと、素晴らしい天気、ビーチ、コーヒーなどもエルサルバドルに移住すべき理由として言及している。
エルサルバドルのビットコイン政策
エルサルバドルではブケレ大統領の下、2021年よりビットコインが正式に法定通貨として認められているところだ。
また、火山資源を活用してビットコインのマイニングを行うスタートアップ企業「ボルケーノ・エナジー」を後押ししており、このプロジェクトは約1,500億円(10億ドル)という多額の投資を受けて6月に立ち上げられた。
その後、今月4日にはマイニングプール「Lava Pool」をローンチしている。再生可能エネルギである地熱エネルギーによって稼働するマイニングプールで、運営の純利益の23%をエルサルバドル政府に提供する契約を結んでいると伝えられる。
Max Keiser氏は、このボルケーノエナジーを会長として率いており、ブケレ大統領の顧問も務めている人物だ。
関連:エルサルバドルでビットコイン採掘プール「Lava Pool」が稼働、政府に利益の23%を提供
エルサルバドルのビットコイン法とは
米ドルと並行する形で、ビットコインを法定通貨として認め、市民がビットコインを全ての決済シーンで利用できることを定めている。エルサルバドルのブケレ大統領が推進した法案で、2021年6月9日に議会によって可決された。ビットコインが国の法定通貨として正式に認められる初の事例となった。
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経済学者Ammous氏が顧問就任
エルサルバドルは5月、30か国以上で訳されているビットコインの入門書「ビットコイン・スタンダード」の著者として知られるSaifedean Ammous氏をエルサルバドル国立ビットコイン事務所(ONBTC)の経済顧問に任命した。
Ammous氏はこの際、エルサルバドルにはイノベーションの中心地となる可能性や、5年から10年以内に債務から解放される可能性があると述べている。また、「今後5年間ビットコインを蓄積し続ければ、エルサルバドルが借金から解放される可能性は十分にある」とも続けた。
なお、エルサルバドルのビットコイン投資を追跡するnayibtrackerの見積もりによると、現在エルサルバドルが投資してきたビットコインの総額は約158億円(約1億543万ドル)の時価評価額であり、約15%の含み損を抱えているとされる。
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