Keyp、ゲームボーイ・カートリッジ型ハードウォレットの開発停止を決定
画期的なアイディアが保留に
Web3ゲーム関連企業Keypが、任天堂の携帯ゲーム機「ゲームボーイ」カートリッジ型の暗号資産(仮想通貨)ハードウェアウォレット「Game Wallet」の開発停止を決定したことがわかった。暗号資産(仮想通貨)メディアDecryptが報道した。
Keypの開発者であるジョセフ・スキアリッツィ氏は22日、同メディアに対し、Keypは新たなステーブルコイン・プロジェクト「Open Dollar」に100%集中する」ため、Game Walletの開発を一時停止すると語った。プロジェクトの停止は、「市場の現在の状況を考慮した」ものであり、将来、プロジェクトの再開が可能になることを願っているという。
今年5月に発表されたGame Walletは、ビットコインをはじめとする仮想通貨をコールドウォレットに保存できる「ゲームボーイ」の専用カセット(カートリッジ)で、一斉を風靡した既存のゲーム機にデジタルウォレットを組み込むという革新的なアプローチとして注目を集めた。
ウォレットへのアクセスや資産の復元を可能にするシードフレーズ(リカバリーフレーズ)の生成にも、GameWalletで展開されるクエストや対話を活用するなど、ゲーム的要素を取り入れ、ユーザーが楽しめる仕様を目指していた。
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実用化へのハードル
実用化に至るためにはゲームボーイ本体の老朽化問題やゲームボーイ開発元の任天堂との権利関係などの法的リスクなど、いくつかの課題点も指摘されていた。
KeypはGameWalletの発売を心待ちにしていたユーザーに対し、計画変更について詫びるメールを送付。代わりに、新たに注力するOpen Dollarベータ版へのアクセスを提供した。
Keypは、同プロジェクトが「分散型金融(DeFi)領域に大きな価値をもたらすと確信している」と述べている。
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