香港行政長官、仮想通貨取引所Hounax詐欺事件について発言
「政府による規制が重要」
香港特別行政区の李家超(ジョン・リー)行政長官は28日、暗号資産(仮想通貨)取引所Hounaxの詐欺事件について発言した。
リー氏は、投資家の利益を保護し、無認可のプラットフォームと闘うためには政府による規制が重要になってくると述べた。さらに、必要がある時に政府は規制当局に積極的に協力するとも続けている。
香港は、9月のJPEX詐欺事件後、規制強化を行っているところだ。仮想通貨の仲介事業者に対して、リスク開示を行うことや、個人投資家が出資の上で仮想通貨についての知識を持っているかどうかを確認することなどを義務付けた。
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リー氏は、投資家は当局より認可されたプラットフォームを利用するべきだと改めて注意を呼びかけている。香港証券先物委員会(SFC)は、詐欺が発覚する前の今月初めから、Hounaxを疑わしい仮想通貨取引プラットフォームとしてブラックリストに掲載していたところだ。
現在、SFCのホームページには9つの疑わしい仮想通貨投資プラットフォームが掲載されている。HOUNAX、JPEXの他、Hong Kong Digital Research Institute、BitCupedなどが挙げられている。
9月より、SFCは投資家保護の観点から、認可された仮想通貨取引プラットフォーム、ライセンス申請中のプラットフォーム、閉鎖されたプラットフォームなどの一覧を一般公開して、消費者が確認できるようにしてきた。
香港証券先物委員会(SFC)のジュリア・リョン最高経営責任者(CEO)は、Web3を推進していく香港の姿勢は変わらないとしている。
一連の詐欺事件は規制の重要性を認識させるものであるが、仮想通貨取引はWeb3エコシステムの重要な一部を構成するものだと話す格好だ。また、デジタル金融や仮想通貨活動で使用されるテクノロジーは金融市場に利益をもたらす可能性があるともコメントした。
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Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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HOUNAX事件の概要
HOUNAX事件では、27日時点で、計145人の被害者が報告されており、被害額は合計で約28億円(約1億4,800万香港ドル)に上っている。
香港警察は25日、HOUNAX事件についての概要を説明する記者会見を開いた。
香港警察によると、HOUNAXの詐欺の手口は、まず、フェイスブックなどソーシャルメディアを通じて被害者をおびき寄せ、被害者が投資に興味を示し始めたら、携帯電話でHOUNAXのプラットフォームのリンクを送るなどして勧誘する。
次に、HOUNAXは被害者がアプリで閲覧するアカウントの画面に、収益が増加していく様子を表示する。しかし実際には、被害者が預けた資金は詐取されており、引き出そうとしても引き出すことはできない状態だ。
被害者が詐欺師の素顔を見たケースがないことも特徴的だった。資金送金先の口座も偽のものであり、こうしたことが警察の捜査の難易度を高めているという。
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