米フォーブス誌、2024年版「30歳未満の30人」で仮想通貨関連で9名を金融リーダーに選出

若い世代の才能を評価

米フォーブズ誌が選ぶ「30歳未満の30人」(“30 UNDER 30”)の2024年北米金融部門で、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンに関連のある専門家9名が受賞することとなった。

フォーブズは、30歳未満の次世代を牽引する若い才能を讃える賞として、2011年より「30 UNDER 30」を毎年開催している。北米地域で対象となる分野は、金融やベンチャーキャピタル、科学、テクノロジー、音楽、ゲーム、スポーツ、エンタメ、メディアと幅広い。

欧州、アジア、アフリカなど地域ごとに同じ企画が展開されているが、日本でもFobes Japanが2018年から開催。5年間で150名が選出された。

2024年の北米金融部門受賞者は、800名を超える候補者から選ばれ、ステーブルコインUSDC発行企業CircleのJeremy Allaire最高経営責任者を含む4人の審査員から評価された。

仮想通貨関連で注目を集めているのが、デジタル資産のオンチェーン決済インフラを提供する「Fractal」のAya Kantorovich氏(29歳)。同氏は機関投資家向けの仮想通貨金融サービス企業「Falcon X」で700社以上の顧客をサポートするトレーディングデスク構築を支援。昨年同社を退社し、FractalをAlexandre Elkrief氏とともに立ち上げ、共同CEOに就任した。

Fractalは今年4月、Hack VC が主導するシードラウンドで、約8.8億円(600万ドル)を調達した。

取引インフラ「Sei Labs」

迅速な仮想通貨トレーディング処理のためのインフラを構築する「Sei Labs」の共同設立者、Jeff Feng氏とJayendra Jog氏の二人も受賞した。

Jog氏は投資アプリ、ロビンフッドの元エンジニアで、Feng氏はゴールドマンサックス出身。2021年のゲームストップ取引の熱狂の頂点でロビンフッドが取引制限を課しているのを目の当たりにして、分散型取引インフラの構築を決意したという。

Sei Labsは今年2つの投資ラウンドで、合計約44億円(3,000万ドル)の調達に成功した。

関連:仮想通貨トレード向けL1ブロックチェーン「Sei」、約40億円を資金調達

その他の受賞者

仮想通貨分野での他の受賞者は以下のとおり。

  • Eric Chen氏とAlbert Chon氏:Injective Labs共同創設者  Web3インフラと金融ソリューション
  • Aleks Larsen氏:Blockchain Capital ブロックチェーン分野のベンチャーキャピタル
  • Dariya Khojasteh氏とBrandon Kumar氏:Layer3共同創設者:仮想通貨学習のためのミニレッスンを提供
  • Brandon Mintz氏:Bitcoin Depot 創設者:ビットコインATM

なお、2024年の北米金融部門における仮想通貨関連分野の受賞者数は、2023年の14名、2022年の21名から減少している。

「恥の殿堂」

フォーブスの「30 UNDER 30」受賞は、将来の有望性を認められたという点で非常に名誉なことではあるが、幾人かの受賞者のその後の人生は、必ずしも順風満帆だとは言い難いようだ。

フォーブズは、13年間で30 UNDER 30にリスト入りした人物の中から、選考したことを後悔している10人を「恥の殿堂」としてまとめ、発表した。

そのトップは、2021年のリストに名を連ねた大手仮想通貨取引所FTXの共同創設者のサム・バンクマン・フリード(SBF)氏。SBF氏は同年、純資産225億ドル(約3.3兆円)でフォーブズの米国長者番付にもランクインしていた。

SBF氏は11月2日、米ニューヨークの地方裁判所において、電信詐欺や証券詐欺、マネーロンダリングなどの7つの罪状すべてで有罪判決を受けた。

また、有罪を認めたFTXの姉妹企業アラメダ・リサーチの元共同CEO、キャロライン・エリソン氏も2022年に30 UNDER 30を受賞しているが、フォーブズは同氏も「恥の殿堂」に入る人物として、受賞を取り消せるものなら取り消したいとしている。

関連:仮想通貨取引所FTXのサム前CEO 7つの容疑すべてで有罪判決

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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