米経済誌フォーブス:スマートコントラクトや独自トークン発行機能を備える「Civil」と協業開始
- Forbesが分散型ジャーナリズム・プラットフォームCivilと協業
- Civil共同創業者Matt Coolidge氏がForbesとの協業を表明した。Forbesは既存記事のサンプルをCivilに移しており、今後は共同で実験的な試みを行う。最終的には、全ての記事データを移す用意があるという。
- Civilの目指す報道のエコシステムとは
- Civilはブロックチェーンを活用したプラットフォームで、スマートコントラクトや独自トークンCVLの発行機能を備える。 読者、ライター、編集者など利害関係の異なる人々が自身の経済的動機を持って参加することで、公正な報道のエコシステムを構築できるという。 スマートコントラクトとは
- 日本語で「賢い契約」のこと。 主にイーサリアムプラットフォーム上で使用されており、ブロックチェーンの記録だけで、自動契約・債務履行まで行うことができる。
Forbes誌が分散型ジャーナリズム・プラットフォームCivilと協業
ビジネス誌の発行やウェブメディアの運営を行うForbesと、分散型ジャーナリズム・プラットフォームCivilが協業を行うことをCivil共同創業者Matt Coolidge氏が表明した。
Forbesは、既存の記事サンプルをCivilの提供するプラットフォームへ移しており、また今後、読者エンゲージメントに関する実験的な試みをCivilと共に行っていく。
先日、AP通信もCivilとの協業を発表したが、多くの企業が自身のサプライチェーンにブロックチェーン技術を導入するのを尻込みする中、100年以上の歴史を誇るForbesは、非常に挑戦的な姿勢を持っていると言える。
Forbesの製品・技術シニアバイスプレジデントSalah Zalatimo氏は、
「何が読者にとって最大利益となるのか、報道産業に今後何が起こるのかを判断できるように、Forbesは絶え間ない実験と導入に注力し続けている。」
「ForbesとCivilは同じジャーナリズムのミッションに熱意を持っており、これまでにない透明性を備えたコンテンツを読者にお届けする。また、ライターの守備範囲を拡げ、次第に新たなレベニューチャネルを開拓することもできるだろう。」
と述べている。
新サービスの提供時期
この試みは、ForbesがCivilの分散型ジャーナリズム・プラットフォーム上で記事を公開する形で来年にも始まる予定で、協業が上手くいけば、Forbesは全記事のメタデータをCivilプラットフォームへ載せ替える用意があるということになる。
Zalatimo氏は、
「Civilのエコシステム構築に関与し、私たち独自のビジネスモデルを形作る機会を得ることができた。」
と語っている。
Civilが目指す報道のエコシステム
Civilは報道の精度・独立性の向上により、「持続可能なジャーナリズム」の実現を目指している。
Civilはブロックチェーンを活用したプラットフォームで、スマートコントラクトや独自トークンCVLの発行機能を備え、トークンを利用することで、読者はジャーナリストを支援したり、不適切なコンテンツには異議を唱えたりするなど、メディア運営に参加できるようになる。
また一方で、ジャーナリストが編集チームを組織することも可能だ。
執筆者や編集者、ファクトチェッカーなど報道への協力者は、トークンで経済的インセンティブを受け取る。
プラットフォーム上にトークンの経済圏を構築することで、様々な立場の人々がそれぞれ利己的な動機で行動するようになり、その結果として独立性や公平性の保たれた報道環境がもたらされるとされる。
Forbesは、先手を打ってCivilとの協業に踏み込んだことで、ただ必然を待つよりも良いポジションを得ることが出来たようだ。
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