ソラナ財団、UAEアブダビと提携 ブロックチェーンのイノベーションと規制を推進へ
アブダビ当局と共同プロジェクトを模索
ソラナ財団は8日、アラブ首長国連邦(UAE)の国際金融センター「アブダビ・グローバルマーケット (ADGM)」と提携のための覚書(MOU)を締結したと発表した。分散型台帳技術(DLT)ソリューションの強化とブロックチェーンのイノベーション推進に焦点を当てたものとなる。
ADGMとソラナ財団は、今後協力して、ブロックチェーン企業のエコシステム開発に関する共同イニシアチブやプロジェクトの機会を模索していく。
また、規制アプローチを形作っていく上でも提携する見込みである。ADGMは、この提携はブロックチェーン領域における規制の明確さに取り組むアブダビ当局の姿勢を強調するものだとも述べた。
高速L1ブロックチェーンのソラナ(SOL)をサポートするソラナ財団は昨年10月、ドバイの自由貿易ゾーン「DMCC」のクリプト・センターともパートナーシップを結んでいる。
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仮想通貨企業を誘致・育成するアブダビ
ADGM登録局のハマド・アル・マズルーエイCEOは、ソラナ財団との提携は「ブロックチェーン分野におけるADGMのリーダーシップを強化する上で重要なマイルストーン」だとして、次のように述べた。
私たちは、ソラナと提携してテクノロジーの未来を開拓する。堅牢で持続可能な技術開発を確実にする上で、規制とコンプライアンスが重要になることを強調し、ブロックチェーン分野の知識レベルをさらに高めていくことを楽しみにしている。
ソラナ財団のリリー・リュー会長は、次のようにコメントした。
UAEはイノベーションとブロックチェーン技術導入の世界的なハブ(中心地)として台頭している。
ADGMと緊密に連携することは、この地域全体でのブロックチェーン普及の進展にとって重要な前進だ。また、中東でソラナネットワークのイノベーション、セキュリティ、広範な採用を促進するというソラナ財団の目標を進めるものでもある。
アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)は、2018年に包括的な暗号資産(仮想通貨)規制枠組みを導入して企業に魅力的な環境を整えているところだ。
企業進出の一例としては、ナスダック上場の米大手仮想通貨マイニング企業「Marathon Digital Holdings」が昨年、アブダビの合弁事業で大型ビットコイン(BTC)マイニング施設を立ち上げている。
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またアブダビ当局は昨年、ブロックチェーンやメタバースなどWeb3の推進に特化した「Hub71+ Digital Assets」というプロジェクトを創設し、スタートアップ支援のために2,700億円以上の資本を投下すると発表した。
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Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します