Web3スタートアップを育成
アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビは15日、テクノロジー企業育成プロジェクトHub71で、ブロックチェーンやメタバースなどWeb3の推進に特化したイニシアチブを立ち上げた。「Hub71+ Digital Assets」と呼ばれるもので、スタートアップ支援のために約2,700億円(20億ドル)以上の資本を投下する予定だ。
「Hub71+ Digital Assets」は、Web3スタートアップに対して、UAEおよびグローバル市場進出に向けた、様々なプログラムや、企業・政府・投資パートナーとのつながりを提供していく。企業に資金調達、開発、イノベーション商用化の機会を与えるものだ。
参加企業は、アブダビの先進的な規制環境と、世界クラスのブロックチェーン・仮想通貨インフラも使用できると説明している。
Hub71は、現地の金融センターで仮想通貨取引の規制も担当している「アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)」内に設立された、テック企業育成エコシステムだ。Hub71のCEO代理であるAhmad Ali Alwan氏は、次のようにコメントした。
Hub71+ Digital Assetsの立ち上げは、世界規模で変化を促進する革新的なビジネスに対してアブダビがオープンであることを表している。
ブロックチェーンに基づくインターネットの未来は分散型であり、Web3スタートアップはこの移行を加速させる重要な役割を果たすだろう。
Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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現地の金融センターや銀行とも協力
Alwan氏は、スタートアップ育成の上ではアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)、First Abu Dhabi Bank(アブダビ第一銀行:FAB)、FABの研究・イノベーションセンターFABRICと協力していくとも続けている。
アブダビ第一銀行グループのShail Bin Tarraf COO(最高執行責任者)は、同銀行がWeb3分野においても、ますます金融パートナーとしての信頼性を獲得しているところだと強調。アブダビ・グローバル・マーケットやHub71との提携について次のように述べた。
当行は、このパートナーシップにより、ブロックチェーン、NFT(非代替性トークン)、メタバースなどのイノベーションに関して時代の最先端に立つ。
デジタル化されたIDや所有権、デジタル化された価値が交差するところで新しい機会を活用して、お客様を最優先するという約束を果たしていく。
Hub71は別途、アブダビへの事業移転や、評価額約1,300億円(10億ドル)以上のスタートアップを指す「ユニコーン企業」の支援なども行っている。
アブダビとドバイは仮想通貨を推進
アラブ首長国連邦では、アブダビとドバイが仮想通貨政策を積極的に進めているところだ。アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)は、2018年から包括的な仮想通貨規制フレームワークを導入しており、バイナンスやクラーケンなど様々な取引所がライセンスを取得している。
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ドバイの仮想通貨規制当局も7日、仮想通貨に関する最新のガイドラインを発表したところだ。さらに、ドバイもWeb3に積極的で、ハムダン皇太子は2022年、メタバースで4万件の雇用を創出し、5,400億円(40億ドル)相当の経済規模に成長させる戦略を打ち出している。
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