仮想通貨取引のための完全なライセンスを取得
アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)は25日、暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンが仮想通貨交換プラットフォームを運営するための完全なライセンスを取得したと発表した。
公式発表によると、クラーケンは、この金融サービス許可(FSP)ライセンスを取得した最初のグローバルな仮想通貨取引所になったという。
アブダビと、その他UAE地域で、仮想通貨の多角的取引事業およびカストディアンとして運営するための、承認条件をすべて満たした格好だ。
クラーケンは、ADGMに中東本部を設立。経験豊富な上級幹部チームを配置して、UAEでの事業を推進しているところである。投資家は、現地通貨UAEディルハム(AED)を用いてビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の購入や、取引、預金などができるようになる予定だ。
ADGMは、2018年から包括的な仮想資産規制フレームワークを導入しており、中東・北アフリカ(MENA)地域で最大の仮想通貨の規制管轄当局である。「アブダビを仮想通貨取引の世界的な中心地にする」として、仮想通貨事業を行う環境の構築に注力している。
アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)とは
アラブ首長国連邦の首都アブダビに位置する、国際金融センター。金融サービス規制当局、登録局、ADGM裁判所という3つの当局から構成されており、仮想通貨取引の規制も管轄下に置く。
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中東・北アフリカ地域でサービス拡大へ
クラーケンのEMEA地域運営責任者Curtis Ting氏は、次のように述べた。
アラブ首長国連邦(UAE)は、金融の面で世界で革新的な法域の1つであり、消費者とプロの投資家両方で、仮想通貨市場への参加率は地域トップクラスである。
ステーキング、120以上の銘柄のスポット市場、規制された先物取引、まもなくリリース予定のNFT市場など、現地通貨に対応する様々な仮想通貨エコシステムを展開していきたい。
クラーケンは、NFTの売買や、NFTを担保とした融資サービスも計画しているところだ。
ADGMのDhaher bin Dhaher CEOは、クラーケンのライセンス取得を祝福し、次のようにコメントした。
国際金融センターおよびビジネスの推進機関としてADGMは、アブダビの財政的持続可能性や経済の多様化を支援しており、仮想通貨のような、新たな成長と投資の機会を推進することに力を入れている。
10日には、大手仮想通貨取引所バイナンスが、ADGMよりデジタル資産の仲介業者として、原則的な承認を得たことも報じられている。
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UAEでは、アブダビの他、ドバイにも3月、仮想通貨のライセンス制に特化した新たな政府機関「ドバイ仮想資産規制局」が設立された。仮想通貨取引所FTX Europeとバイナンスが、ドバイ当局からライセンスを取得済だ。
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